“きぬあんどん”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
絹行燈	57.1%
絹行灯	42.9%

絹行燈

廓町の道路には霰がつもって、上品な絹行燈（きぬあんどん）のともしびがあちこちにならんで、べに塗の格子の家がつづいた。私はそこを小さく、人に見られないようにして行って、ある一軒の大きな家へはいった。

性に眼覚める頃 (新字新仮名) ／ 室生犀星(著)

女は絹行燈（きぬあんどん）の火を掻立てながら振返った。

斬られたさに (新字新仮名) ／ 夢野久作(著)

絹行灯

其処（そこ）には、ざっと酒肴を用意して、殿——大膳正を待っている様子。隣の部屋を覗くと、恐ろしく贅沢（ぜいたく）な夜の物に、金環（きんかん）の蚊帳（かや）が霞（かす）んで、絹行灯（きぬあんどん）の灯がほのぼのと照らして居ります。

奇談クラブ〔戦後版〕：10 暴君の死 (新字新仮名) ／ 野村胡堂(著)