“かんぎく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寒菊83.3%
環菊16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この時ちらちらと降りかかり、冬牡丹ふゆぼたん寒菊かんぎく白玉しらたま乙女椿おとめつばき咲満さきみてる上に、白雪しらゆきの橋、奥殿にかかりて玉虹ぎょっこうの如きを、はらはらと渡りづる、気高けだかく、世にも美しき媛神ひめがみの姿見ゆ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その代り枝が半分往来へ逃げ出して、もう少しすると電話の妨害になる。菊が一株ある。けれども寒菊かんぎくとみえて、いっこう咲いていない。このほかにはなんにもない。気の毒なような庭である。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
幕末頃のくさ草紙には、俳優田之助が人気があったからか、小意気こいきな水茶屋の女なぞに環菊かんぎくのお田之たのとかなんとか書いてあったほどだから、俳名の曙山も目からくる文字の上でのおなじみだった。