“かきけ”の漢字の書き方と例文
語句割合
掻消100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
成程、榮三郎を坐らせて居た座蒲團だけが、部屋の眞ん中に冷たく殘つて、その上に居る子供の姿は掻消かきけしでもしたやうに見えなくなつて居るのです。
絶間たえまなく鳴りひびく蓄音機の音も、どうかすると掻消かきけされるほどさわがしい人の声やら皿の音に加えて、煙草のけむりちりほこりに、唯さえ頭の痛くなる時分
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
耆婆扁鵲ぎばへんじゃくの神剤でもとてもなおりそうもなかった二葉亭の数年前から持越しの神経衰弱は露都行という三十年来の希望の満足にぬぐうが如く忽ち掻消かきけされて
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)