“おうじゅ”の漢字の書き方と例文
語句割合
桜樹100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今年花また開くの好時節に際し都下のある新聞紙は濹上ぼくじょう桜樹おうじゅようや枯死こしするもの多きを説く。ああ新しき時代は遂に全く破壊の事業を完成し得たのである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
人家のまわりの庭、花の咲いた桜樹おうじゅ、緑の芝地、美しい樹影こかげ、擬古式の廃墟はいきょ、大理石の円柱台の上、緑の間には、昔の女王らの白い胸像、そのやさしいかわいい顔つき。
もとの場所へ辿たどりつくと、「さて最後にお見せしたい物が、実はここにもう一つござる」こういいながら平八は、巨大な桜樹おうじゅの根もとから、川とは反対に耕地はたちの方へ、土手の腹を下って行ったが
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)