“うまばえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
馬蠅100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さらした古法帖こほうじょうの上に大きな馬蠅うまばえが飛んで来たので、老人は立って追いながら、「あやまちを改むるにはばかることなかれ。若い時の事はどうもいたし方がない。人間の善悪はむしろ晩節にあるのだよ。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
双方の死骸は、街路に横たわり、溝をのぞけば溝も腐臭ふしゅう。木陰にはいれば木陰にも腐臭。——そこに淋しき草の花は咲き、あぶがうなり、馬蠅うまばえが飛んでいた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
払えども払えどもたかって来る馬蠅うまばえのように、それはもう心の内から追いきれない彼の白日夢はくじつむとなっていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)