“うこうおう”の漢字の書き方と例文

語句	割合
右校王	100.0%

右校王

繿縷（ぼろ）をまとうた蘇武の目の中に、ときとして浮かぶかすかな憐愍（れんびん）の色を、豪奢（ごうしゃ）な貂裘（ちょうきゅう）をまとうた右校王（うこうおう）李陵（りりょう）はなによりも恐れた。

李陵 (新字新仮名) ／ 中島敦(著)

彼は陵を右校王（うこうおう）に任じ、己（おの）が娘の一人をめあわせた。娘を妻にという話は以前にもあったのだが、今まで断わりつづけてきた。それを今度は躊躇（ちゅうちょ）なく妻としたのである。

李陵 (新字新仮名) ／ 中島敦(著)

匈奴（きょうど）の右校王（うこうおう）たる李陵（りりょう）の心はいまだにハッキリしない。母妻子を族滅（ぞくめつ）された怨（うら）みは骨髄（こつずい）に徹しているものの、自（みずか）ら兵を率いて漢と戦うことができないのは、先ごろの経験で明らかである。

李陵 (新字新仮名) ／ 中島敦(著)