“いさりぶね”の漢字の書き方と例文
語句割合
漁舟100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
伊太郎をうちへ送り込むと、紫錦は舟を漕ぎ返した。と、その時雨と一緒に嵐がさっと吹いてきた。周囲四里の小湖ではあったが、浪が立てば随分危険で、時々漁舟いさりぶねを覆えした。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
帰ってゆく漁舟いさりぶねの影もかすんでいたし、帯のように延びている天の橋立も、薄墨でぼかしたほどにしか見えなかった。保馬は床の端のところにかがんでぼんやりと下の水を眺めていた。
いしが奢る (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
れかかって明るい海の上を、帆をおろしながら帰ってゆく漁舟いさりぶねがつぎつぎにはしり過ぎた。岸に沿って小さな堀があり、この増六の持ち舟であろう、屋根舟をまぜて、七そうばかりもやってあった。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)