“あづち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
安土96.2%
3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時、弦を離れた矢は的をはずれたので、彼はもう一本の方を試みたが、二本とも安土あづちの砂の中へ行ってめり込んだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
古道具屋の主人いはく、「これは安土あづちの城にあつたものです。」僕いはく、「ふたの裏に何か横文字があるね。」主人いはく
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
矢はあづちの上を遙かに越えて、その後のまばらな木立を拔け、隣の庭——植木屋の松五郎の庭——へと飛んで行きます。それからほんの暫らくの後——。
あづちを越して、此羽目へ射込むには、坊主矢ぢや駄目だ。新助が本矢鏃ほんやじりを使つたのはその爲さ」
「まだ解らねえ、——手前と重吉兄哥は、此處を眞つ直ぐにあづちの前を通つて、木戸をあけて、ゆつくり植木屋の裏へ出てくれ、何か變つた事があつたら、遠慮なく聲を出してもいゝ」