“垜(あづち)” の例文
矢は垜(あづち)の上を遙かに越えて、その後の疎(まば)らな木立を拔け、隣の庭——植木屋の松五郎の庭——へと飛んで行きます。それからほんの暫らくの後——。
「垜(あづち)を越して、此羽目へ射込むには、坊主矢ぢや駄目だ。新助が本矢鏃(ほんやじり)を使つたのはその爲さ」
「まだ解らねえ、——手前と重吉兄哥は、此處を眞つ直ぐに垜(あづち)の前を通つて、木戸をあけて、ゆつくり植木屋の裏へ出てくれ、何か變つた事があつたら、遠慮なく聲を出してもいゝ」