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『非情な男』
ふりがな文庫
『
非情な男
(
ひじょうなおとこ
)
』
私は顔をあげた。やはり彼女だった。 窓ごしに彼女の眼が、哀願するように私をみつめている。 開けてくれというのだ。 黒い窓に、彼女は音をたてる。しだいに強く、執拗に、その音がつづいている。 彼女は身もだえをし、全身で私に合図している。 ……だ …
著者
山川方夫
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「ヒッチコック・マガジン 第四巻第一一号」宝石社、1962(昭和37)年10月1日
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約6分(500文字/分)
朗読目安時間
約9分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
退
(
すさ
)
脱
(
のが
)
執拗
(
しつよう
)
寂寥
(
せきりょう
)
汐
(
しお
)
皺
(
しわ
)
瞼
(
まぶた
)
翅
(
はね
)
蛾
(
が
)
蝟集
(
いしゅう
)
躊躇
(
ちゅうちょ
)
鱗粉
(
りんぷん
)