恢復期かいふくき
彼はすやすやと眠つてゐるやうに見えた。——それは夜ふけの寢臺車のなかであつた。…… 突然、さういふ彼が片目だけを無氣味に開けた。 さうして自分の枕もとの懷中時計を取らうとして、しきりにその手を動かしてゐる。しかしその手は鐵のやうに重いのだ、 …
題名が同じ作品
恢復期 (新字新仮名)堀辰雄 (著)
恢復期 (新字旧仮名)神西清 (著)