矜りとは自ら恃むところがあることであります。これさへあれば、何ものも怖れずといふ信念です。自負と云ひ、自尊と云ひ、いづれも、己をもつて高しとする精神でありますが、これはむしろ、相手に向つて自分を譲らないことで、いはば競争心の現れであります。 …
著者 | 岸田国士 |
ジャンル | 社会科学 > 社会科学 > 論文集・評論集・講演集 |
初出 | 「力としての文化――若き人々へ」河出書房、1943(昭和18)年6月20日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約1時間5分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約1時間47分(300文字/分) |