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高砂
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たかさご
ふりがな文庫
“
高砂
(
たかさご
)” の例文
ところで備前にあった参河守範頼は、船のないのを良いことに、
室
(
むろ
)
や
高砂
(
たかさご
)
などで遊蕩にふけって、すっかり戦を忘れ果てていた。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
約
(
つづ
)
めていえば、稲日野は加古川の東方にも西方にも
亙
(
わた
)
っていた平野と解釈していい。可古島は現在の
高砂
(
たかさご
)
町あたりだろうと云われている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
大勝の
御店
(
おたな
)
の方から手伝いに来た真勢さんは日本橋
高砂
(
たかさご
)
町附近の問屋を一廻りして戻って来て、
復
(
ま
)
た品物を
揃
(
そろ
)
えに出て行こうとしている。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
吾
(
わ
)
が身が幸福になりたいばかりに
祝言
(
しゅうげん
)
の
盃
(
さかずき
)
もした。父、母もそのつもりで
高砂
(
たかさご
)
を聴いていたに違ない。思う事はみんなはずれた。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
弁の少将が拍子を取って、美しい声で梅が枝を歌い出した。この人は子供の時
韻塞
(
いんふたぎ
)
に父と来て
高砂
(
たかさご
)
を歌った公子である。
源氏物語:32 梅が枝
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
▼ もっと見る
盃が一順廻った時分に、小野がどこからか引っ張って来た若い
謡謳
(
うたうた
)
いが、末座に坐って、いきなり突拍子な大声を張り揚げて、
高砂
(
たかさご
)
を謳い出した。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
二度目には雷神坂を、しゃ、雲に乗って飛ぶように、車の上から、見晴しの景色を
視
(
なが
)
めながら、口の
裡
(
うち
)
に小唄謡うて、
高砂
(
たかさご
)
で下りました、ははっ。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
同じ日に浜町の後室から「
縞
(
しま
)
縮緬一反」、故酒井
忠質室専寿院
(
ただたかしつせんじゅいん
)
から「
高砂
(
たかさご
)
染縮緬
帛
(
ふくさ
)
二、扇二本、
包之内
(
つつみのうち
)
」を賜った。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
備中から備前、それから
播州巡
(
ばんしうめぐ
)
りをして、石の
寶殿
(
はうでん
)
や
高砂
(
たかさご
)
の松を見て歩く中に、道臣はお時と、京子は竹丸と、別々の旅人のやうになつて歩いたこともあつた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
蝦夷
(
えぞ
)
や
韃靼
(
だったん
)
や
天竺
(
てんじく
)
や
高砂
(
たかさご
)
や、シャムロの国へまで手を延ばして、珍器名什を蒐集することによって、これまた世人に謳われている松平
碩寿翁
(
せきじゅおう
)
その人なのであった。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
二た間
打
(
ぶ
)
っこ抜いた
室
(
へや
)
が式場で、その裏が花嫁の支度部屋、長屋の者が集まって、目出たく三三九度が済むと、「
高砂
(
たかさご
)
や——豆腐イ」と言った調子のが始まります。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
或ひは源氏の大将の昔の路を忍びつつ、
須磨
(
すま
)
より
明石
(
あかし
)
の浦づたひ、
淡路
(
あはぢ
)
の
迫門
(
せと
)
を押しわたり、絵島が磯の月を見る、或ひは
白浦
(
しろうら
)
、
吹上
(
ふきあげ
)
、和歌の浦、
住吉
(
すみよし
)
、
難波
(
なには
)
、
高砂
(
たかさご
)
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
例へば「
高砂
(
たかさご
)
」を演じるとする。初めにワキ・ワキヅレが
次第
(
しだい
)
の囃子で登場して一定の場所に着座するまでは序の部分であるから、これは粘らずにサラリと運ばねばならぬ。
演出
(新字旧仮名)
/
野上豊一郎
(著)
歳祝いをする家でも生活が
裕
(
ゆたか
)
なだけに、膳部を
賑
(
にぎ
)
やかにして、村人達が七福神とか、春駒とか、
高砂
(
たかさご
)
とかと、趣向を
凝
(
こ
)
らして、チャセゴに来てくれるのを待っているのである。
手品
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
和泉
(
いずみ
)
町、
高砂
(
たかさご
)
町、
住吉
(
すみよし
)
町、
難波
(
なんば
)
町、江戸町の五カ町内二丁四方がその一郭で、ご存じの見返り柳がその大門通りに、きぬぎぬの別れを惜しみ顔で枝葉をたれていたところから
右門捕物帖:09 達磨を好く遊女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
主人夫婦のことをオジンバ(
土佐幡多
(
とさはた
)
、近江
伊香
(
いか
)
)、オンジョウンボ(鹿児島県)、バオジ(
出雲
(
いずも
)
)、ウバグジ(陸前栗原)などといい、または
熊手
(
くまで
)
と
高砂
(
たかさご
)
の絵から思い寄って
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
舞踏も少し行なわれ、また盛んに談笑された。甘えっ児の婚礼だった。
高砂
(
たかさご
)
の
爺
(
じい
)
さんを招いてもいいほどだった。それにまた、高砂の爺さんはジルノルマン老人のうちに含まれていた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
事
(
こと
)
なく
高砂
(
たかさご
)
をうたひ
納
(
おさ
)
むれば、
即
(
すなは
)
ち
新
(
あた
)
らしき一
對
(
つい
)
の
夫婦
(
めをと
)
出來
(
でき
)
あがりて、やがては
父
(
ちゝ
)
とも
言
(
い
)
はるべき
身
(
み
)
なり、
諸縁
(
しよゑん
)
これより
引
(
ひ
)
かれて
斷
(
た
)
ちがたき
絆
(
ほだし
)
次第
(
しだい
)
にふゆれば、一
人
(
にん
)
一
箇
(
こ
)
の
野澤桂次
(
のざわけいじ
)
ならず
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
南に
飾磨
(
しかま
)
の津をいだき、
舟行
(
しゅうこう
)
の便はいうまでも候わず、
高砂
(
たかさご
)
、
屋島
(
やしま
)
などへの通いもよく、市川、加古川、
伊保川
(
いほがわ
)
などの河川をめぐらし、
書写山
(
しょしゃざん
)
、
増位山
(
ますいやま
)
などの
嶮
(
けん
)
を負い、中国の要所に
位
(
くらい
)
し
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これだけの心得がなくて、本役をお受けできるか——勅使両山御霊屋へ御参詣、お目付お
徒士頭
(
かちがしら
)
が出る。定例じゃぞ。十三日が、天奏衆御馳走のお能。
高砂
(
たかさご
)
に、
三番叟
(
さんばそう
)
。名人鷺太夫がつとめる。
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
高砂
(
たかさご
)
や、この浦舟に、帆をあげて、……」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
播磨
(
はりま
)
と丹波の境、
三草山
(
みくさやま
)
を固めておられた由、義経に破られた後は、資盛、有盛、忠房の御三方は播磨の
高砂
(
たかさご
)
からご乗船、
讃岐
(
さぬき
)
の屋島へ落ちのびられました由
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
今頃は
高砂
(
たかさご
)
をうたっておられるだろうと思われる時刻に、そのお嬢様が一人で帰って来られ、若党へ、これからすぐ妾と一緒に行っておくれとおっしゃったそうで。
猿ヶ京片耳伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
二た間
打
(
ぶ
)
っこ抜いた
室
(
へや
)
が式場で、その裏が花嫁の支度部屋、長屋の者が集まって、目出たく三三九度が済むと、「
高砂
(
たかさご
)
や——豆腐イ」と言った調子のが始まります。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
呂宋
(
ルソン
)
とか、
高砂
(
たかさご
)
とかいうところ、或いはもっと、ずっとのして、
亜米利加
(
アメリカ
)
方面まで行くかも知れぬ
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
道中の
胡麻
(
ごま
)
の灰などは
難有
(
ありがた
)
い
御代
(
みよ
)
の事、それでなくっても、見込まれるような
金子
(
かね
)
も持たずさ、足も達者で一日に八里や十里の道は、団子を
噛
(
かじ
)
って野々宮
高砂
(
たかさご
)
というのだから
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二三年前
宝生
(
ほうしょう
)
の舞台で
高砂
(
たかさご
)
を見た事がある。その時これはうつくしい
活人画
(
かつじんが
)
だと思った。
箒
(
ほうき
)
を
担
(
かつ
)
いだ爺さんが
橋懸
(
はしがか
)
りを五六歩来て、そろりと
後向
(
うしろむき
)
になって、婆さんと向い合う。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
よい背景を持っていて世間から大事に扱われている子であった。才があって顔も美しいのである。主客が酔いを催したころにこの子が「
高砂
(
たかさご
)
」を歌い出した。非常に愛らしい。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
さうかと思ふと、
吾儕
(
わたしども
)
だつて
高砂
(
たかさご
)
で一緒になつたんです、なんて、
其様
(
そん
)
なことを言出す。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
抑〻
(
そもそも
)
、これは、九州肥後の国、
阿蘇
(
あそ
)
の宮の
神主友成
(
かんぬしともなり
)
とはわが事なり。われまだ都を見ず候ほどに、このたび思いたちて
上
(
のぼ
)
り候。またよきついでなれば
播州
(
ばんしゅう
)
高砂
(
たかさご
)
の浦をも一目見ばやとぞんじ候
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すでにご紹介したごとく、わがむっつり右門によってほとんど根絶やしにされ、このうえは
高砂
(
たかさご
)
のうら舟に帆をあげて、四海波おだやかな
葵
(
あおい
)
の御代を無事泰平に送ればいいという世の中でしたから
右門捕物帖:05 笛の秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
『
袖中抄
(
しゅうちゅうしょう
)
』に引くところの古歌、「我のみや子持たりと思へば
武隈
(
たけくま
)
のはなはに立てる松も子持たり」、『拾遺集』に「
高砂
(
たかさご
)
の
尾上
(
おのえ
)
に立てる」とあるのは、普通の耳馴れた
詞
(
ことば
)
に詠み改めたものであろう。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「川上源左衞門と治太夫の口が違ふ、それが何よりの證據だ。源左衞門は芝濱の
高砂
(
たかさご
)
で別れたと言つたが、治太夫は此方の
罠
(
わな
)
に乘つて、品川の
壽屋
(
ことぶきや
)
で別れたと言つた」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
和
(
やはら
)
げ夫ほどまでに云なりせば
此回
(
このたび
)
は許し
遣
(
つか
)
はす可ければ今日よりして五日の中に
設
(
もし
)
病氣有る物ならば有とぞ云る
確
(
たしか
)
な證據を取て其
旨
(
むね
)
吾輩
(
おのれ
)
に云ね又無時には
縁談
(
えんだん
)
再回
(
ふたゝび
)
結
(
むす
)
びて
高砂
(
たかさご
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
余はまず天狗巌を
眺
(
なが
)
めて、次に婆さんを眺めて、三度目には
半々
(
はんはん
)
に両方を
見比
(
みくら
)
べた。画家として余が頭のなかに存在する婆さんの顔は
高砂
(
たかさご
)
の
媼
(
ばば
)
と、
蘆雪
(
ろせつ
)
のかいた
山姥
(
やまうば
)
のみである。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……いや、
高砂
(
たかさご
)
の浦の想われるのに対しては、むしろ、むくむくとした松露であろう。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
以前二条の院につれられて来て
高砂
(
たかさご
)
を歌った子も元服させて幸福な家庭を中納言は持っていた。腹々に生まれた子供が多くて一族がにぎやかであるのを源氏はうらやましく思っていた。
源氏物語:14 澪標
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
高麗
(
こうらい
)
、
大明
(
だいみん
)
はおろか、
安南
(
アンナン
)
、
柬埔寨
(
カンボジヤ
)
、
婆羅納
(
ブルネオ
)
、
暹羅
(
シャム
)
、
高砂
(
たかさご
)
、
呂宋
(
ルソン
)
、
爪哇
(
ジャバ
)
、
満剌加
(
マラッカ
)
はいうに及ばず、遠くは
奥南蛮
(
おくなんばん
)
から
喜望峰
(
きぼうほう
)
の
岬
(
みさき
)
をめぐり、大西洋へ出て、
西班牙
(
スペイン
)
、
葡萄牙
(
ポルトガル
)
、
羅馬
(
ローマ
)
、どこへでも
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「川上源左衛門と治太夫の口が違う、それが何よりの証拠だ。源左衛門は芝浜の
高砂
(
たかさご
)
で別れたと言ったが、治太夫はこっちの
罠
(
わな
)
に乗って、品川の寿屋で別れたと言った」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「松も昔の(たれをかも知る人にせん
高砂
(
たかさご
)
の)と申すような孤立のたよりなさの思われます私を、血族の者とお認めくださいましておっしゃってくださいますあなたは頼もしい方に思われます」
源氏物語:54 蜻蛉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
所は
高砂
(
たかさご
)
の——
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正月の元日に
尚侍
(
ないしのかみ
)
の弟の大納言、子供の時に父といっしょに来て、二条の院で
高砂
(
たかさご
)
を歌った人であるその人、
藤
(
とう
)
中納言、これは
真木柱
(
まきばしら
)
の君と同じ母から生まれた関白の長子、などが賀を述べに来た。
源氏物語:46 竹河
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「よし来た、——それじゃ、
高砂
(
たかさご
)
やアとやるぜ」
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へエ、熊手をね。
高砂
(
たかさご
)
の
尉
(
じよう
)
見たいに」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“高砂”の意味
《固有名詞》
高砂(たかさご)
能楽の演目の一つ。
台湾の別称。
(出典:Wiktionary)
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
砂
常用漢字
小6
部首:⽯
9画
“高砂”で始まる語句
高砂屋
高砂有明
高砂勇美之助