“蝦夷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えぞ73.1%
えみし12.8%
えびす2.6%
かい2.6%
エゾ2.6%
エミシ2.6%
カイ1.3%
ゑぞ1.3%
アイヌ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
防ぐにありまして、今日のままにて打ち捨て置きましたならば、カムチャッカの者は蝦夷えぞと合し、蝦夷もやがてはロシアの勢力に……
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
蘇我氏は、稲目いなめ馬子うまこ蝦夷えみし入鹿いるかの四代を通じ、いずれも、優れた統治者であったものと判断するのが合理的である、と私は考える。
御子みこが、蝦夷えびすの娘と、馬糧倉の中で、昼間から、歌垣うたがきのように、くわりしておられた。——相手もあろうによ、女奴と」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
アイヌすなわち古えのカイ族に当てるに「蝦夷かい」、すなわち「蝦蟆がまの夷」の義ある文字を用いて平気でおった(支那人は当初蝦蛦と書いた様である)。
「エタ」名義考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
甲の類 衣、依、愛、哀、埃、英、娃、翳、榎、荏(これは「」「蝦夷エゾ」「」等の語に用いられる)
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
さて此御時みちのく越後の蝦夷エミシらがソムきぬれば、うての使を遣さる、その御軍みいくさの手ならしを京にてあるに、鼓吹のこゑ鞆の音など(弓弦のともにあたりて鳴音也)かしかましきを聞し召て
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ここに久延毘古とはクエすなわち蝦夷カイ族の男子の称で、山田の曾富騰とは山田の番人であろうとの事は、既に論じておいた。
うづむ今ま三四年せば卷烟草一本吸ひ盡さぬ間に蝦夷ゑぞ長崎へも到りヱヘンといふ響きのうちに奈良大和へも遊ぶべしいはんや手近の温泉塲などとひ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
何の男のようでもない。のッそりの蝦夷アイヌなんか、私は何とも思わない。悪く形でもあらわして見たがい。象牙のばちがあるものを、はたき殺しても事は済む。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)