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葛西
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かさい
ふりがな文庫
“
葛西
(
かさい
)” の例文
人間の癖に水のなかに棲んでいて、時々に
陸
(
おか
)
や船にあがってくる。まったく河童の親類のような奴だ。
葛西
(
かさい
)
の源兵衛堀でも探してみるかな
半七捕物帳:32 海坊主
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
上杉
憲顕
(
のりあき
)
をはじめ、江戸氏、
葛西
(
かさい
)
党、三浦一族、
坂東
(
ばんどう
)
八平氏、武蔵七党などの混成旅団で、あなどりがたい兵質と数であった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは
葛西
(
かさい
)
っていう遠いところから来るので、自分でとった魚や貝やなんか持って来るのでしょ、その漁師や漁師のおかみさんなんかが来て
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
葛西
(
かさい
)
善蔵と云うひとの小説みたいにどうにもならなくなりそうだ。私は別に酒が飲みたいよくもないけれど、生きようがないではありませんか。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
昨夜は丁度下女を
葛西
(
かさい
)
の在所に歸して、たつた一人淋しく過してゐると、夜中過ぎに、天窓をコジあけて、
覆面
(
ふくめん
)
の大男が入つて來たといふのです。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
あっちへ
蹌々
(
ひょろひょろ
)
、こっちへ
踉々
(
よろよろ
)
、狐の
憑
(
つ
)
いたように、俺の近所を、
葛西
(
かさい
)
街道にして、
肥料桶
(
こえたご
)
の
臭
(
におい
)
をさせるのはどこの奴だ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
葛西
(
かさい
)
の
肥料屋
(
こやしや
)
では、
肥桶
(
こえおけ
)
にぐっと
腕
(
うで
)
を突込み、べたりと糞のつくとつかぬで
下肥
(
しもごえ
)
の
濃薄
(
こいうすい
)
従って良否を験するそうだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
東雲
(
しののめ
)
橋、洲崎、
葛西
(
かさい
)
橋、小松川と東京湾へ流れ出す川口は、日曜ともなると、女子供、家族連れで、
陸
(
おか
)
張りが何千人というくらいたいへんな人出になる。
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
左馬権介
(
さまごんのすけ
)
、
結城
(
ゆうき
)
七郎、
千葉平兵衛尉
(
ちばへいべえのじょう
)
、
葛西
(
かさい
)
十郎、
筑後
(
ちくご
)
六郎、
和田
(
わだ
)
三郎、
土肥先二郎
(
どひせんじろう
)
、
佐原
(
さはら
)
太郎、
多多良
(
たたら
)
四郎、
長井
(
ながい
)
太郎、
宇佐美
(
うさみ
)
三郎、
佐佐木小三郎
(
ささきこさぶろう
)
、
南条平次
(
なんじょうへいじ
)
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
いま日本に於いて、多少ともウール・シュタンドに近き
文士
(
ぶんし
)
は、白樺派の
公達
(
きんだち
)
、
葛西
(
かさい
)
善蔵、佐藤春夫。
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
父は同じ東京となった放水路の川向うの
江戸川区
(
えどがわく
)
には移り住むのを極度に
恐
(
おそ
)
れた。
葛西
(
かさい
)
という名が、旧東京人の父には、市内という観念をいかにしても受付けさせなかった。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
いやあ、歩かなくちゃいけないんだ、歩こう歩こう。小金から
松戸
(
まつど
)
へ二里だっていった。松戸から
葛西
(
かさい
)
、千住まで四里。そうすると、あす中に親方の処まで行けるぞ。(食べ始める)
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
十万余騎を三手に分けて三方より同じく
鬨
(
とき
)
を作る、入道
恵性
(
えしよう
)
驚きて
周章
(
あわ
)
て騒ぐ処へ、三浦兵六力を得て、江戸、
豊島
(
としま
)
、
葛西
(
かさい
)
、川越、
坂東
(
ばんどう
)
の八平氏、武蔵の七党を七手になし、
蜘手
(
くもで
)
、
輪違
(
わちがひ
)
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
葛西
(
かさい
)
産同 一二・六〇 四・三〇 一・一八 七七・二一 二・六七 二・〇四
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
葛西
(
かさい
)
善蔵ときたら、茂緒の家と川一つへだてた、ごみごみの町の長屋にいた。
風
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
小山田
(
おやまだ
)
、江戸、
葛西
(
かさい
)
など七党の兵二千余騎が集められて、再び三浦の
衣笠
(
きぬがさ
)
の城に攻撃をかけ、一日一夜攻め続けて大介は討ちとり、残った子供たちは九里浜の浦より舟で安房、上総へ渡った
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
先妻は
葛西
(
かさい
)
の
小岩井村
(
こいわいむら
)
の百姓
文左衞門
(
ぶんざえもん
)
の娘で、
大根畠
(
だいこんばたけ
)
という処に
淺井
(
あさい
)
様と云うお
旗下
(
はたもと
)
がございまして其の処へ十一歳から奉公をして居りましたから、江戸言葉になりまして、それに
極
(
ごく
)
堅い人で
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
関東の方では、埼玉県の
羽生
(
はにゅう
)
町にネボケ流しがある。これも七日の午前三時頃から床を離れ、
葛西
(
かさい
)
用水掘に飛込んで、泳ぎ廻ったのは子供のみでなかった(新聞)。同県熊谷地方ではネム流し。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
現に今語ろうとする蒲生氏郷は、豊臣秀吉即ち当時の主権執行者の命によりて奥羽鎮護の任を帯びて居たのである。然るに
葛西
(
かさい
)
大崎の地に
一揆
(
いっき
)
が起って、其地の領主木村父子を佐沼の城に囲んだ。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ゆく春や
葛西
(
かさい
)
の男
鋏刀
(
はさみ
)
して
躑躅
(
つつじ
)
を切りぬ
居丈
(
ゐだけ
)
ばかりに
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
背
レ
隄空鎖葛西家
隄
(
つつみ
)
を
背
(
せ
)
にして
空
(
むな
)
しく
鎖
(
とざ
)
す
葛西
(
かさい
)
の家
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
すでに、
葛西
(
かさい
)
ヶ
谷
(
やつ
)
いちめんは、冷たいような
猛火
(
みょうか
)
だった。極熱の
炎
(
ほのお
)
が燃え
極
(
きわ
)
まると、逆に、しいんと冷寂な「
無
(
む
)
」の世界が降りて来る——。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
河童野郎。八丁堀へでも、
葛西
(
かさい
)
の源兵衛堀へでも勝手に行け。おれ達は渡り奉公の人間だ。万一
事
(
こと
)
が
露
(
ば
)
れたところで、あとは野となれ、屋敷を
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そのうちに、
葛西
(
かさい
)
汽船の三十二号から、一人の少年があらわれ、渡り板を踏んで岸へあがると、そこで草履をはいて「千本」の店のほうへ来た。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いや、
勇
(
いさ
)
んだの
候
(
さふらふ
)
の、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
姉
(
あね
)
はべたりだが、
江戸
(
えど
)
ものはコロリと
來
(
く
)
るわ、で、
葛西
(
かさい
)
に、
栗橋北千住
(
くりはしきたせんぢゆ
)
の
鰌
(
どぢやう
)
に
鯰
(
なまづ
)
を、
白魚
(
しらを
)
の
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
つて、
腮
(
あご
)
を
撫
(
な
)
でた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お寅の里は
葛西
(
かさい
)
の百姓、死体はその日のうちに、親が来て引取りましたが、下手人の見当はまるっきり付きません。
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうして帰途は必ず、何くそ、と反骨をさすり、
葛西
(
かさい
)
善蔵の事が、どういうわけだか、きっと思い出され、断乎としてこの着物を手放すまいと固執の念を深めるのである。
服装に就いて
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
大正の十四年ごろ、
葛西
(
かさい
)
の船堀、三角あたりでよい型のヤマベが出た。
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
東京
小石川
(
こいしかわ
)
の某町に、
葛西
(
かさい
)
と云って、もと幕臣であった富裕な家があって、当主の
芳郎
(
よしろう
)
と云うのは
仏蘭西
(
フランス
)
がえりの少壮民権家として、先輩から望みを
嘱
(
しょく
)
されていた。
微曇
(
うすぐも
)
りのした風の無い日であった。
赤い花
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
奥羽では
葛西
(
かさい
)
や小野寺、南部、千葉などはこの例である。
家の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いや、
勇
(
いさ
)
んだの
候
(
さふらふ
)
の、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
※
(
あねえ
)
は、べたりだが、
江戸
(
えど
)
ものはころりと
來
(
く
)
るわ、で、
葛西
(
かさい
)
に、
栗橋
(
くりはし
)
、
北千住
(
きたせんぢゆ
)
の
鰌鯰
(
どぢやうなまづ
)
を、
白魚
(
しらうを
)
の
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
つて、
頤
(
あご
)
を
撫
(
な
)
でた。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
はちょうど下女を
葛西
(
かさい
)
の在所に帰して、たった一人淋しく暮していると、夜中過ぎに、天窓をコジあけて、覆面の大男が入って来たというのです。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
葛西
(
かさい
)
のくらしは平穏で、病気のほうも順調に
恢復
(
かいふく
)
していること、兄や弟たちと畑にも出るし、田の草取りもやった。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
どういう訳か、
葛西
(
かさい
)
の源兵衛(源兵衛堀—いまの北
十間
(
じっけん
)
川のこと)が名所になっています。
江戸の化物
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
葛西
(
かさい
)
さんがいらした時には、お二人で、雨宮さんの悪口をおっしゃって、憤慨したり、
嘲笑
(
ちょうしょう
)
したりして居られますし、雨宮さんがおいでの時は、雨宮さんに、とても優しくしてあげて
きりぎりす
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「これはいかぬ。ここは捨てよう。東勝寺へ退け。
葛西
(
かさい
)
ヶ
谷
(
やつ
)
の東勝寺へ移ろうぞ」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
葛西
(
かさい
)
の火事」くそやけ、やけくそだ
昔の言葉と悪口
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
江東区の
高橋
(
たかばし
)
から出ていた通船、
葛西
(
かさい
)
、東湾の両汽船とも、ずっと以前に運行をやめ、もっぱらバスの乗り継ぎに切り替えられた、と聞いていたから
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
其
(
そ
)
の
頼母
(
たのも
)
しいのと、
當人
(
たうにん
)
自慢
(
じまん
)
の
生白
(
なまじろ
)
い
處
(
ところ
)
へ、
先
(
ま
)
づ
足駄
(
あしだ
)
をひつくりかへしたのは、
門内
(
もんない
)
、
團右衞門
(
だんゑもん
)
とは
隣合
(
となりあ
)
はせの
當家
(
たうけ
)
の
家老
(
からう
)
、
山田宇兵衞
(
やまだうへゑ
)
召使
(
めしつか
)
ひの、
葛西
(
かさい
)
の
飯炊
(
めしたき
)
。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
葛西
(
かさい
)
から婿に来る前は、
大神楽
(
だいかぐら
)
の一座にいたそうで、道化は天稟の名人、
潮吹
(
ひょっとこ
)
の面を冠って、
倶利迦羅紋々
(
くりからもんもん
)
の素肌を自慢の勇みの間に交り、二つの扇を持って
銭形平次捕物控:017 赤い紐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
河太郎もその一つで、
葛西
(
かさい
)
の源兵衛堀で生け捕ったとか、筑後の柳川から連れて来たとか、子供だましのような口上を列べ立てているが、その種はもう大抵の人にも判っていた。
半七捕物帳:19 お照の父
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
Zenzo Kasai, one of the most unfortunate Japanese novelists at present, said,“——
葛西
(
かさい
)
善蔵は
猿面冠者
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
からくも血路を切りひらき、
葛西
(
かさい
)
ヶ
谷
(
やつ
)
へいま引きあげて来たものだった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
江東区の
高橋
(
たかばし
)
から出ていた通船、
葛西
(
かさい
)
、東湾の両汽船とも、ずっと以前に運行をやめ、もっぱらバスの乗り継ぎに切り替えられた、と聞いていたから
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
其
(
そ
)
の
頼母
(
たのも
)
しいのと
當人
(
たうにん
)
自慢
(
じまん
)
だけの
生白
(
なまじろ
)
い
處
(
ところ
)
へ、
先
(
ま
)
づ
足駄
(
あしだ
)
をひつくりかへしたのは、
門内
(
もんない
)
、
團右衞門
(
だんゑもん
)
とは
隣合
(
となりあ
)
はせの
當家
(
たうけ
)
の
家老
(
からう
)
、
山田宇兵衞
(
やまだうへゑ
)
召仕
(
めしつか
)
への、
居
(
ゐ
)
まはり
葛西
(
かさい
)
の
飯炊
(
めしたき
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そのお安という五十過ぎの乳母が、番頭の忠五郎に
葛西
(
かさい
)
の在にいるのを捜し出され、小松屋へ来て二度目の奉公をしているうちに、私の許嫁のお浜と同じような病気にかかり
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
千人風呂は
葛西
(
かさい
)
善蔵氏の作品でございました。
狂言の神
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「十五の年の冬だったっけ、おれが店をとびだして、
葛西
(
かさい
)
の田舎へ帰ろうとした、雨に濡れながら両国橋を渡ってると、栄ちゃんが追っかけて来たっけ」
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そのお安といふ五十過ぎの乳母が、番頭の忠五郎に
葛西
(
かさい
)
の在に居るのを搜し出され、小松屋へ來て二度目の奉公をして居るうちに、私の許嫁のお濱と同じやうな病氣にかゝり
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いやだ、おら
葛西
(
かさい
)
へ帰る」とさぶが云った、「おかみさんに出ていけって云われたんだ、もう三度めなんだ」
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“葛西”の解説
葛西(かさい)は、現在の東京都東部の地名である。広義にはかつての下総国葛飾郡の西半分(中世以前)、武蔵国葛飾郡(江戸時代初期に発足)を指し、狭義には東京都江戸川区南部の地区である。本記事ではこの両者について記述する。
(出典:Wikipedia)
葛
常用漢字
中学
部首:⾋
12画
西
常用漢字
小2
部首:⾑
6画
“葛西”で始まる語句
葛西領
葛西屋
葛西川
葛西村
葛西家
葛西志
葛西善蔵
葛西囃子
葛西太郎
葛西金町