狐格子きつねがうし)” の例文
だんちるやうにりたときくろ狐格子きつねがうし背後うしろにして、をんな斜違はすつかひ其處そこつたが、足許あしもとに、やあのむくぢやらの三俵法師さんだらぼふしだ。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
庭園の隅の休憩所に擬した物に壁へ鍵の手に狐格子きつねがうしめぐらしその上に刷硝子すりがらす角行灯かくあんどうを掛けて中に電灯をけ、その前に一脚の長椅子を据ゑて周囲にあかい小菊を植ゑたのなどが其れだ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
やがて二人ふたりは、並んで拜殿はいでんの前まで行つて、狐格子きつねがうしの間から内部をのぞいた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
成程なるほど狐格子きつねがうしつていた提灯ちやうちん何時いつまでも蝋燭らふさくたずにはらぬ。……くと板椽いたえんこしおとし、だんあしげてぐつたりしてた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はつとおもへば、からすほどの真黒まつくろとり一羽いちは虫蝕むしくひだらけの格天井がうでんじやうさつかすめて狐格子きつねがうしをばさりと飛出とびだす……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よこれて田畝道たんぼみちを、むかふへ、一方いつぱうやますそ片傍かたはら一叢ひとむらもり仕切しきつた真中まんなかが、ぼうひらけて、くさはへ朧月おぼろづきに、くもむらがるやうなおくに、ほこら狐格子きつねがうしれる
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また……遣直やりなほしぢや。)とつぶやきながら、のみをぶらげると、わたし茫然ばうぜんとしたあひだに、のそのそ、と越中褌ゑつちうふんどしきうのあとのしりせて、そして、やがて、及腰およびごしほこら狐格子きつねがうしのぞくのがえた。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はやまをしませう。……狐格子きつねがうしけますとね、うです……
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)