“棒杭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼうぐい64.7%
ぼうくい15.7%
ぼうぐひ11.8%
ばうぐひ2.0%
ばうくひ2.0%
ぼうくひ2.0%
ぼっくい2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然し勤労者の中には「十月オクチャーブリ」以後ソヴェト同盟で生産は生産のために行われているという羨むべき事実を理解しない「棒杭ぼうぐい奴」もある。
しかも、明らかに凶器として使用されたらしい棒杭ぼうくいが、死体から一間ばかりはなれたところに投げすてられて、霜をかぶっていた。
誰が何故彼を殺したか (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
汽車きしやはたゞ、曠野あらの暗夜やみ時々とき/″\けつまづくやうにあわたゞしくぎた。あとで、あゝ、あれが横濱よこはまだつたのかとおもところも、あめれしよびれた棒杭ぼうぐひごと夜目よめうつつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一廻ひとまはりくるりとにまはつて前足まへあしをついて、棒杭ばうぐひうへつて、お天気てんきるのであらう、仰向あをむいてそらた。れるといまにくよ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
このさるは、だれ持主もちぬしといふのでもない、細引ほそびき麻繩あさなは棒杭ばうくひゆわえつけてあるので、あの、占治茸しめぢたけが、腰弁当こしべんたう握飯にぎりめし半分はんぶんつたり、ばつちやんだの、乳母ばあやだのがたもと菓子くわしけてつたり
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
だるいやうな、ものうい姿でゐるゆき子の変化が、そゞろに哀れで、富岡は、昔歌舞伎で観た、朝顔日記の大井川だつたか、棒杭ぼうくひに抱きついて、嘆いてゐた深雪みゆきの狂乱が、まぶたに浮んだ。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
「おい、どうしたんだい。キスしないかよ。婚礼がすんだら、キスするんだよ。両方から寄っかかって行きな。なんとかいうんだぜ。まるで棒杭ぼっくいみたいだ、お前たちゃ」
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)