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根笹
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ねざさ
ふりがな文庫
“
根笹
(
ねざさ
)” の例文
やはり時刻はもう暮近くに、なにげなしに外を見たところが、宿からわずか隔たった山の
根笹
(
ねざさ
)
の中に、腰より上を出して立っていた。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
女郎屋
(
ぢよらうや
)
と
云
(
い
)
ふわけには
行
(
ゆ
)
かず、まゝよとこんな
事
(
こと
)
はさて
馴
(
な
)
れたもので、
根笹
(
ねざさ
)
を
分
(
わ
)
けて、
草
(
くさ
)
を
枕
(
まくら
)
にころりと
寢
(
ね
)
たが、
如何
(
いか
)
にも
良
(
よ
)
い
月
(
つき
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
根笹
(
ねざさ
)
の藪にかこまれた、風のあたらないところに、毛布で包んだ生後二ヵ月ぐらいの赤ん坊が、鼻歌をうたうような調子で泣いている。
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
具足の
威
(
おどし
)
は
濃藍
(
こいあい
)
で、
魚目
(
うなめ
)
はいかにも堅そうだし、そして胴の
上縁
(
うわべり
)
は
離
(
はな
)
れ
山路
(
やまみち
)
であッさり囲まれ、その中には
根笹
(
ねざさ
)
のくずしが打たれてある。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
台所の流しの下には、
根笹
(
ねざさ
)
や、
山牛蒡
(
やまごぼう
)
のような
蔓草
(
つるくさ
)
がはびこっていて、
敷居
(
しきい
)
の根元は
蟻
(
あり
)
の
巣
(
す
)
でぼろぼろに
朽
(
く
)
ちていた。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
▼ もっと見る
青い
刻煙草
(
きざみたばこ
)
の吸殻のような光があった。それは
根笹
(
ねざさ
)
の
葉裏
(
はうら
)
に笹の葉の繊維をはっきり見せていた。
馬の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
蟠龍軒は高い処へ上って向うから来るかと
見下
(
みおろ
)
す、処が人の来る様子がございませんから、神田の方から人が来て認められては
適
(
かな
)
わぬと思いまして、二番河岸の
根笹
(
ねざさ
)
の処へ
蹲
(
しゃが
)
んで居りますと
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
たしない
路銀
(
ろぎん
)
、
女郎屋
(
ぢよらうや
)
と
云
(
い
)
ふわけには
行
(
ゆ
)
かず、まゝよ、とこんな
事
(
こと
)
は、さて
馴
(
な
)
れたもので、
根笹
(
ねざさ
)
を
分
(
わ
)
けて、
草
(
くさ
)
を
枕
(
まくら
)
にころりと
寢
(
ね
)
たが、
如何
(
いか
)
にも
良
(
い
)
い
月
(
つき
)
。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大雪
(
おほゆき
)
です——が、
停車場前
(
ステエシヨンまへ
)
の
茶店
(
ちやみせ
)
では、まだ
小兒
(
せうに
)
たちの、そんな
聲
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えて
居
(
ゐ
)
ました。
其
(
そ
)
の
時分
(
じぶん
)
は、
山
(
やま
)
の
根笹
(
ねざさ
)
を
吹
(
ふ
)
くやうに、
風
(
かぜ
)
もさら/\と
鳴
(
な
)
りましたつけ。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
嬉
(
うれ
)
しや日が当ると思えば、
角
(
つの
)
ぐむ
蘆
(
あし
)
に
交
(
まじ
)
り、
生茂
(
おいしげ
)
る
根笹
(
ねざさ
)
を分けて、さびしく
石楠花
(
しゃくなげ
)
が咲くのであった。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手巾
(
ハンケチ
)
を引出して、
根笹
(
ねざさ
)
は浅く霜をのせたが、胸に抱いたら暖かそうに、またふッくりと日の当る、
路傍
(
みちばた
)
の石
一個
(
ひとつ
)
、滑らかな
面
(
おもて
)
を払うて、そのまま、はらりと、
此方
(
こなた
)
へとて。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
根
常用漢字
小3
部首:⽊
10画
笹
漢検準1級
部首:⽵
11画
“根”で始まる語句
根
根柢
根性
根方
根元
根本
根太
根気
根岸
根津