きもの)” の例文
五助はきものはだけに大の字なり名残なごりを見せて、ひきがえるのような及腰およびごし、顔を突出して目をみはって、障子越に紅梅屋敷のかたみつめながら、がたがたがたがた
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青いきら/\と光つたきものをきて、絶えずからだをゆすぶりながら歩るきます。その不思議なものは沼岸のところまでやつてきて、ぴんと頭をあげながらなれ/\しく
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
何も直接にあいて問いただしたる上と、思い定めて、心はまた翻然として今の楽しきに返れる時、きものをあらためし浪子は手ずから紅茶を入れてにこやかに入り来たりぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
さア、やれ、よるよ、くろづくめのきものた、るから眞面目まじめな、嚴格いかめしい老女らうぢょどの、はやをしへてたも、清淨無垢しゃうじゃうむくみさをふたけたこの勝負しょうぶける工夫くふうをしへてたも。
ほとんどつけ根へ露呈あらわなのですが、段々瞳がまると、真紅まっか紅羅がんぴの花をかんざしにして、柳条笹しまざさのようなの入った薄いきもの、——で青いんだの、赤いんだの、茱萸ぐみの実が玉のごとく飾ってある。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
片手かたてきものなかれて、れでも肌薄はだうすな、襦袢じゆばんえりのきちんとして、あかほそいのも、あはれにさむさうにえたのが、なんおもつたか、左手ゆんでへて、むすいて、たけかはから燒團子やきだんご、まだ
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)