“着服”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちゃくふく37.5%
きつけ12.5%
きもの12.5%
ちやくふく12.5%
ちやくぶく12.5%
ちよろまか12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どう考えても幾次郎はひどい奴で、ていよくお大を追い払って、百八十両の金を着服ちゃくふくして、自分はなんにも知らない顔をして和泉屋に残っている。
半七捕物帳:68 二人女房 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
幸いなりもらってくれとの命令いいつけかしこまると立つ女と入れかわりて今日は黒出の着服きつけにひとしお器量まさりのする小春があなたよくと末半分は消えて行く片靨かたえくぼ俊雄はぞッと可愛げ立ちてそれから二度三度と馴染なじめば馴染むほど小春がなつかしくたましいいつとなく叛旗はんき
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
二ツにけ脳骨砕けて脳味噌散乱したる有様実に目もあてられぬ程なり医師の診断に由ればいずれも午前二三時頃に受けし傷なりと同人の着服きものは紺茶堅縞たてじま単物ひとえものにて職業も更に見込附かず且つ所持品等は一点もなし其筋の鑑定に拠れば殺害したる者が露見を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
土偶中には裸体らたいの物有り、着服ちやくふくの物有り、素面すめんの物有り、覆面ふくめんの物有り、かむり物の在る有り、き有り、穿き物の在る有り、き有り、上衣うわぎ股引ももひきとには赤色あかいろ彩色さいしきを施したるも有るなり
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
大阪侯の家来の吉良(九太夫だいふ)がその画家への礼金を着服ちやくぶくして偽筆の扇を主君に差出す。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
社長は何方どつちかと云へば因循な人であるけれど、資本ぬしから迫られて、社の創業費を六百円近く着服ちよろまかしたと云ふ主筆初め二三の者を追出して了つた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)