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斯様
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かよう
ふりがな文庫
“
斯様
(
かよう
)” の例文
旧字:
斯樣
善「左様なまねをするから打擲したが
如何
(
いかゞ
)
致した、汝はな此の
後
(
ご
)
斯様
(
かよう
)
な所へ立廻ると許さぬから左様心得ろ、
痴呆
(
たわけ
)
め、早く帰れ/\」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
国に
斯様
(
かよう
)
な朝臣があるのは
寔
(
まこと
)
にめでたい限りであるから、
何卒
(
どうか
)
此の上とも体を大切にされて、一日でも多く長生きをして下さるように
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「おお、御身は
女性
(
にょしょう
)
にて
在
(
おわ
)
するな。何とて
斯様
(
かよう
)
なる山中へ、女性の身一人にておわせしぞ。まして男の装いしたる有様こそ怪しけれ」
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「丹下、けしからぬぞ、若い若い。あやまれあやまれ。後輩の身を以て——。御無礼じゃったぞ。木沢殿に一応、
斯様
(
かよう
)
に礼謝せい。」
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
斯様
(
かよう
)
に、ドストエフスキーは、たとひ平凡人を描くにしても、極めて目立つ特徴を更に浮き立たせるやうにして扱つてゆく作家である。
意慾的創作文章の形式と方法
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
親の代から長屋で成長し、現在では共同して
辻駕籠
(
つじかご
)
を
舁
(
かつ
)
いでいる銀太と金太という二人の若者は、中んずく
斯様
(
かよう
)
に公言しておった。
長屋天一坊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
斯様
(
かよう
)
な講は私の村だけに限らず、広く各地に亙りて組織され、各講中の信徒は、登山の経験ある先達に引率されて、団体登山を行った。
登山談義
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
「どう仕りまして……飛んだ
周章者
(
うろたえもの
)
で御座います。
御仁体
(
ごにんてい
)
をも
弁
(
わきま
)
えませず、御都合も伺いませずに
斯様
(
かよう
)
な事を
取計
(
とりはか
)
らいまして……」
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
聴水はかくと見るより、まづ
慇懃
(
いんぎん
)
に安否を尋ね。さて今日
斯様
(
かよう
)
のことありしとて、黒衣が黄金丸を射殺せし由を、
白地
(
ありのまま
)
に物語れば。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
ただ
斯様
(
かよう
)
に現実界を遠くに見て、
杳
(
はるか
)
な心にすこしの
蟠
(
わだかま
)
りのないときだけ、句も自然と
湧
(
わ
)
き、詩も興に乗じて種々な形のもとに浮んでくる。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
青眼鏡は物を云う時、殆ど唇を動かさぬものだから、声の
源
(
みなもと
)
がハッキリせず、殊に
斯様
(
かよう
)
な薄暗がりでは、ゾッとする程物凄く聞えるのだ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
斯様
(
かよう
)
に世界の文明が日本へ来たが、日本の文明もまた外国へ行く。今日の有様は水の平準に拡がるが如き勢いで物が調和する。
女子教育の目的
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
如何に理窟
好
(
ずき
)
の躬恒でも
斯様
(
かよう
)
な説を聞いたらさぞかし困り可申候。屑屋が躬恒の弁護などするは
贔屓
(
ひいき
)
の引倒しにや候べき。(三月二十四日)
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そのときは警察に
罷
(
まか
)
り出で、おおそれながら、実は松テキの野郎と長い竹竿を持ちまして、町内近郊をかくかく
斯様
(
かよう
)
でと。……
雷
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「筒井も心はればれしく
斯様
(
かよう
)
な嬉しいことは今までに覚えませぬ。それにあの美しい蛍はよいおくりものでございました。」
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
御届もいたしません、——姪などと、
飛
(
と
)
んでもない、私は芳江という名を聴くのも初めてで、——と
斯様
(
かよう
)
に申します
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その年来を聞召し候へば、十五六にて諸人を勧め、
斯様
(
かよう
)
の儀を取立て申す儀にては
無之
(
これなく
)
候と思召し候条、四郎が名を借り取立て申すもの
有之
(
これあり
)
と思召し候。
島原の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
尤も医者もあとで吾子を亡くして、自分が
曾
(
かつ
)
て斯々の事をした、それで
斯様
(
かよう
)
な罰を受けたと
懺悔
(
ざんげ
)
したそうですがね
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
斯様
(
かよう
)
に先生は各方面に知人があって、又誰れでも先生に親んで居たし、又直ぐに先生の友人となったのである。
日本その日その日:01 序――モース先生
(新字新仮名)
/
石川千代松
(著)
斯様
(
かよう
)
に先生は各方面に知人があって、又誰れでも先生に親んで居たし、又直ぐに先生の友人となったのである。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
斯様
(
かよう
)
に、子供等がうるさくついたら、西洋人も散歩にならぬだろうと思われた。山国の渋温泉には、西洋人はよく来るであろう。けれど其れは盛夏の頃である。
渋温泉の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
先ず
斯様
(
かよう
)
に仮定するのである、我輩は平太郎と彦次郎と久子の三匹を置いて、赤い紐と、白い紐と、青の紐と
此
(
この
)
三種の異なりたる紐を出し、少しく引摺って見た
猫と色の嗜好
(新字新仮名)
/
石田孫太郎
(著)
無常の宗教から
蠱惑
(
こわく
)
の芸術に行きたいのである……
斯様
(
かよう
)
に懶惰な僕も郊外の冬が多少珍らしかったので、日記をつけて見た。去年の十一月四日初めて霜が降った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼は、その馬泥坊はこれこれ
斯様
(
かよう
)
の人間だったとは書くが、馬を盗むのは悪いことだとは口を裂かれても言わない。けだし判決は統計係の受持でないからである。
チェーホフ序説:――一つの反措定として――
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
いずれにせよ、私の信ずる俳句というものは
斯様
(
かよう
)
なものであるという事を書き残して置くものである。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
それみい! 話し手も息災、きいたそち達も今まで
斯様
(
かよう
)
に無事と致さば何の
怖
(
おそ
)
れることがあるものか! 長国、十万石を賭けても是非に聞きとうなった。いや主命を
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
このたび申合せ
候
(
そうろう
)
者
(
もの
)
ども四十八人にて、
斯様
(
かよう
)
に志を合せ申す儀も、冷光院殿この上の御外聞と存ずることに候。死後御見分のため遺しおき候口上書一通写し進じ候。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
例えば生麦の一件に
就
(
つい
)
て英の公使から来たその書翰の大意は
斯様
(
かよう
)
々々、ソレに
向
(
むかっ
)
て
此方
(
こっち
)
から斯う返辞を
遣
(
つか
)
わしたと云うその大意、
一切
(
いっさい
)
外交上往復した書翰の大意を
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
斯様
(
かよう
)
に小供の時から始終見馴れて居るので、お光の心には筑波が生きて居るように思われて
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「旅の御僧、もはやそなたへの疑いは晴れ申したが、さるにても、
斯様
(
かよう
)
は怪物を見事に御退治めされたとは、
尋常
(
よのつね
)
の出家ではござるまい、お差しつかえなくば、
俗名
(
ぞくみょう
)
をうけたまわりたい」
轆轤首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
斯様
(
かよう
)
な有様で、外からは
種々
(
いろいろ
)
な取沙汰をされながらも、此の似合わしからぬ一対の夫婦は無事にK町で暮して居りました。あの事件迄の小田家の有様は、大体右のようなものでありました。
彼が殺したか
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
私は到底再び東京などへ遣って来られる人間ではなし、これで最早や一生の別れになるかも知れないと思ったが、同氏との多年にわたる交友の最後は、遂に
斯様
(
かよう
)
な切れ目を見せたのてある。
御萩と七種粥
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
当庵は
斯様
(
かよう
)
に見苦しく候えば、年末に相迫り相果て候を見られ候
方々
(
かたがた
)
、借財等のため自殺候様御推量なされ候事も
可有之
(
これあるべく
)
候
(
そうら
)
えども、借財等は一切無き某、厘毛たりとも他人に迷惑相掛け申さず
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
最早
(
もう
)
妾
(
わたし
)
の婚礼も日がない、この一七日
前
(
ぜん
)
に、
妾
(
わたし
)
は
遂
(
つい
)
に無常の風に
誘
(
さそわ
)
れて
果敢
(
はか
)
なくなりました身で
御座
(
ござ
)
います、
斯様
(
かよう
)
な次第
故
(
ゆえ
)
、両親の悲歎は申すも
中々
(
なかなか
)
の事、
殊
(
こと
)
に母の心は
如何
(
いか
)
ばかりかと思えば
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
斯様
(
かよう
)
な標題を掲げたが、何もこんな陳腐な題目で柄にもない文学論を試みようとするのではない。「図書」という雑誌の性質に鑑み、此二人に関係ある書物に就て閑談を弄したいと思うのである。
春水と三馬
(新字新仮名)
/
桑木厳翼
(著)
是は
結
(
むす
)
んで居るうち附た癖です譬えば真直な髪の毛でもチョン髷に結べば其髷の所だけは
解
(
とい
)
た後でも揺れて居ましょう、夫と同じ事で此髪も縮れ毛では無い結んで居た為に
斯様
(
かよう
)
に癖が附たのです
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
人の
生命
(
いのち
)
にはまた生れ替る来世とやらも御座いましょうが、金銀珠玉の細工物は一度壊されては
再
(
ふたたび
)
この世には出て参りませぬ。先生。海老蔵が折入って御願いと申まするは
斯様
(
かよう
)
の次第で御座ります。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
気がつきて水を呑むとき両手で
柄杓
(
ひしゃく
)
を押へ、首を持つていく工合真に
逼
(
せま
)
り、白紙を出して
髷
(
まげ
)
を
撫付
(
なでつ
)
くるも女の情にて受けたり。
斯様
(
かよう
)
な色気のあるものになりては福助も及ばず、半四郎後一人なるべし。
明治座評:(明治二十九年四月)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
斯様
(
かよう
)
な時は、顔の皮膚面に響き且つ裂くるが如き寒さを感ずる。
諏訪湖畔冬の生活
(新字旧仮名)
/
島木赤彦
(著)
「はい、左様でございます。わたくしは、深川仲町裏に住んで居りまする、
馬琴
(
ばきん
)
と申します若輩でございますが、少々先生にお願いの筋がございまして、
無躾
(
ぶしつけ
)
ながら、
斯様
(
かよう
)
に早朝からお邪魔に伺いました」
曲亭馬琴
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「いやいや、極めて確かな話じゃ。それは
斯様
(
かよう
)
な筋合じゃ」
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
斯様
(
かよう
)
なことも、考えないでは、ござりませなんだが——」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
此処
(
こゝ
)
に
食客
(
いそうろう
)
に参っていて夫婦同様になって居た新吉と云うのは、深見新左衞門の二男、是も
敵
(
かたき
)
同士の因縁で
斯様
(
かよう
)
なる事に相成ります。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯様
(
かよう
)
に、ドストエフスキーは、たとい平凡人を描くにしても、極めて目立つ特徴を更に浮き立たせるようにして扱ってゆく作家である。
意慾的創作文章の形式と方法
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
求めて探しても
斯様
(
かよう
)
な親船は無かろうのに、偶然それを発見し得たことの仕合せを、兵馬は
雀躍
(
こおどり
)
して
欣
(
よろこ
)
ばないわけにはゆきません。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
但
(
ただ
)
し、誤解のないように申添えるが、何も
斯様
(
かよう
)
に申したからとて、小生は雪子ちゃんを小生の家から嫁に行かせようと申すのではない。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
斯様
(
かよう
)
な考は、
畢竟
(
ひっきょう
)
私が山にのみ拘泥していて、高原を考えるにも山から離れて観察することを知らないからだと非難されても一言もない。
高原
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
斯様
(
かよう
)
な病気になりましてもお医者様にも見せずに秘め隠して参ったので御座いますが、只今となりましては、もはや、あなた様にだけは
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
また酢売が薑売に対して「オヌシ」といひ、薑売が酢売に対して「ソチ」といふのを見ても当時の二人称には
斯様
(
かよう
)
な言葉を用ゐたのである。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
斯様
(
かよう
)
な人だったとすれば、余程俗才のある細君でも持っていない限りは家の経済などは
埒
(
らち
)
も無いことだったに相違無い。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
斯
漢検準1級
部首:⽄
12画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“斯様”で始まる語句
斯様々々
斯様斯様
斯様々々云々