御不自由ごふじいう)” の例文
アヽおかへりかと起返おきかへはゝ、おとつさんは御寢げしなツてゞすかさぞ御不自由ごふじいう御座ございましたらうなにもおかはりは御座ございませんかと裏問うらとこゝろきずもつあし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
不安ふあんをりだし、御不自由ごふじいうまことにおどくまをねるが、近所きんじよけるだけでもみづりない。外町ほかまちかたへは、とつて某邸ぼうていことわつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今宵こよひもちひだけありしか如何いかに、さらでも御不自由ごふじいうのお兩親ふたり燈火ともしびなくばさぞこまはやかへりて樣子やうすりたきもの
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あゝ、おまをしましやう、丁度ちやうどいてあげますほどおこめもございますから、それなつのことで、山家やまがえましてもよるのものに御不自由ごふじいうもござんすまい。さあ、かくもあなたおあがあそばして。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つかはさるべきお約束やくそくとや、それまでのお留守居るすゐまた父樣とうさまをりふしのお出遊いでに、人任ひとまかせらずは御不自由ごふじいうすくなかるべく、何卒なにとぞ其處そこまはせて、白波しらなみ浦風うらかぜおもしろく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
行火あんくわあたるならいつでもとこなかれていてはらないぞえ、さんは臺所だいどころのもとをこゝろづけて、旦那だんなのおまくらもとへはいつもとほりおわかしにお烟草盆たばこぼんわすれぬやうにして御不自由ごふじいうさせますな
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)