“开(そ)” の例文
罪人が解りたらば先(ま)ずほッと安心すべきところなるに目科は爾(さ)は無くて痛く失望の色を現わし开(そ)を体好(ていよ)く紛らさんため例の嚊煙草の箱を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
急度(きつと)相違のない樣に直に調達致して來ようとつかと戸外(おもて)へ出たるは其日も已に暮合(くれあひ)すぎなり开(そ)も此家には妻子もなく一個住(ひとりずみ)にて玄關番(げんくわんばん)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
が、口を酸(す)くして何と説得しても「开(そ)ンな考は毛頭ない、」とばかり主張(いいは)って、相談はとうとうそれきりとなってしまった。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
若(も)し叶(かな)ひたりとも开(そ)は邪道(じやだう)にて正當(せいたう)の人(ひと)の目(め)よりはいかに汚(けが)らはしく淺(あさ)ましき身(み)とおとされぬべき、我(わ)れはさても、殿(との)をば浮世(うきよ)に譏(そし)らせ參(まゐ)らせん事(こと)くち惜(を)し
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蓋(けだ)し今日に於て皇帝の生命を狙(ねら)ふが如きは、皇帝を了解せざるの甚(はなはだ)しきものなればなり、我等は露西亜皇帝に対して深厚なる一種の惰感を有す、开(そ)は尊敬に非ずして憐憫(れんびん)なり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
素(もと)より彼を信ずればこそ此(この)百年の生命をも任(まか)したるなれ、斯(か)くまで事を分けられて、尚(な)ほしも开(そ)は偽りならん、一時(いちじ)遁(のが)れの間に合せならんなど、疑ふべき妾(せふ)にはあらず、他日両親の憤(いきどほ)りを受くるとも
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
見す見す余命いくばくもないのが解っていながら开(そ)んな高価な辞書を買うでもあるまいと、それといわずに無益の費(つい)えをさせたくないと思っていうと
彼れ何を斯(か)く考うるや、眼(まなこ)徒(いたず)らに空(くう)を眺めて動かざるは六(むつ)かしき問題ありて开(そ)を解かん為(た)め苦めるにや
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
開く間(ま)遲(おそ)しと讀下す其の文體(ぶんてい)は此度の小西屋の婚姻破談(はだん)の儀は家主庄兵衞の爲る業にて這(こ)は日頃より如此(しか/″\)の擧動(ふるまひ)ありしが开(そ)を聞入ぬ所ろより兄元益と云へる者と語ひ今朝同人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
決して开(そ)んな浮いた泡のような空想ではなかったので、牢乎(ろうこ)として抜くべからざる多年の根強い根柢があったのだ。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
何事をか残員(のこりいん)と問答せし末、出来(いできた)りて再び余を従えつ又奥深く進み行き、裏庭とも思わるゝ所に出で、开(そ)を横切りて長き石廊に登り行詰る所に至れば厳(いか)めしき鉄門あり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
お前のお娘の産(うみ)し孫(まご)ありて幼年に果(はて)られしや开(そ)は又如何なる人の子にて有(あり)しぞと問(とふ)に婆は彌々(いよ/\)涙にくれ乍(なが)らも語り出る樣(やう)私(わし)に澤(さは)の井(ゐ)といふ娘あり御城下の加納將監樣といふへ奉公に參らせしが其頃將監樣(しやうげんさま)に徳太郎樣と申す太守樣(たいしゆさま)の若君が御預(おあづか)りにて渡(わた)らせ給へり其若君が早晩(いつか)澤の井に御手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私が何とかいって蔑(くさ)すと、今までと打って変って反対(あべこべ)に、「それは君、君は誤解している。紅葉は开(そ)んな男じゃない。君、今度は十分肝胆を披瀝(ひれき)して話して見給え、」と俄(にわか)に紅葉の弁護を做初(しだ)した。
が、开(そ)んな女が果してあったかドウかは知(しら)ない。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)