“嬰兒”のいろいろな読み方と例文
新字:嬰児
読み方割合
あかんぼ34.4%
あかご18.8%
えいじ12.5%
をさなご6.3%
やゝ6.3%
あかさん3.1%
うぶこ3.1%
こども3.1%
ねね3.1%
ねんね3.1%
ねヽ3.1%
みどりご3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其處そこふるちよツけた能代のしろぜんわんぬり嬰兒あかんぼがしたか、ときたならしいが、さすがに味噌汁みそしるが、ぷんとすきはらをそゝつてにほふ。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
教師けうしそのあとで、嬰兒あかご夜泣よなきをしてへられないといふことでぢき餘所よそした。幾度いくど住人すみてかはつて、今度こんどのはひさしくんでるさうである。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
十九年前この屋敷の奧方が亡くなつて嬰兒えいじ濱路を草加へ里子に出したのも事實、その濱路が十九になつて、婿選むこえらみといふ段になつた時
今やわがことばは(わが想起おもひいづることにつきてさへ)、まだ乳房ちぶさにて舌を濡らす嬰兒をさなごことばよりもなほらじ 一〇六—一〇八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
如是我聞によぜがもん佛説阿彌陀經ぶつせつあみだきやう、聲は松風にくわして心のちりも吹拂はるべき御寺樣の庫裏くりより生魚あぶる烟なびきて、卵塔場らんたふば嬰兒やゝ襁褓むつきほしたるなど、お宗旨によりて構ひなき事なれども
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
南無冥加なむみょうがあらせたまへ! 多勢おほぜいそだてた嬰兒あかさんうちいっ可憐いたいけであったはおまへぢゃ。そのまへ御婚禮ごこんれいることが出來でくれば、わし本望ほんまうでござります。
その証拠さえそこにある、侍女が嬰兒うぶこを大切そうに、胸の辺りに抱いている。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これ大弓場だいきうば爺樣ぢいさんなり。ひとへば顏相がんさうをくづし、一種いつしゆ特有とくいうこゑはつして、「えひゝゝ。」と愛想あいさうわらひをなす、其顏そのかほては泣出なきださぬ嬰兒こどもを——、「あいつあ不思議ふしぎだよ。」とお花主とくい可愛かはいがる。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
返來へんじをさへうちとけてひしことはなく、しひへばしさうな景色けしきるおたみきのどくさかぎりなく、何歳いつまでも嬰兒ねねさまでいたしかたが御座ござりませぬ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「親分、娘はあの通り嬰兒ねんねだ、——そんな事を訊くのは殺生過ぎはしませんかえ」
姿なりこそ嶋田しまだ大人をとなづくらせたれどしようところ人形にんぎやうだいてあそびたきほどの嬰兒ねヽさまがにはかにおちしたさるどうやう、なみだのほかになんかんがへもなくおたみ老婢はしためそでにすがつて
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
くろんぼの嬰兒みどりごまろあたまを撫でさすり
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)