侍女じぢよ)” の例文
がすりのあはせに、あかおび竪矢たてや背中せなかうた侍女じぢよが、つぎつかへて、キッパリとみゝこゝろよ江戸言葉えどことばつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
かたちおごそかなるは、白銀しろがねよろひしてかれ守護しゆごする勇士いうしごとく、姿すがたやさしいのは、ひめ斉眉かしづ侍女じぢよかとえる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ごろに、坪井博士つぼゐはかせられたが、發掘はつくつよりは、焚火たきびはうさかんで格別かくべつことはなく、談話だんははうにばかり熱中ねつちうしてると、兒島邸こじまてい侍女じぢよ牛乳入ミルクいり珈琲コーヒー持運もちはこんでた。
發顯みあらはすこと忠相ぬしの外能く凡庸よのつねの奉行の爲し得可きことにあらねば傳へて美談びだんとなす物から又聞く所ろに依ば彼天一坊なる者は實に吉宗ぬしの落胤らくいんに相違なく將軍未だ紀州に在るとき侍女じぢよまろゆめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
侍女じぢよつかえたまゝ、いろ淺黒あさぐろ瓜實顏うりざねがほもたげてこたへた。ほゝにもえりにも白粉氣おしろいけはなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
みやこなる父母ふぼかへたまひぬ。しうとしうとめらぬきやく許多あまたあり。附添つきそ侍女じぢよはぢらひにしつゝ、新婦よめぎみきぬくにつれ、浴室ゆどのさつ白妙しろたへなす、うるはしきとともに、やまに、まちに、ひさしに、つもれるゆきかげすなり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
滅多めつたわらつたこともない但馬守たじまのかみ今日けふこと機嫌きげんのわるい主人しゆじんが、にツこりとかほくづしたのを、侍女じぢよこつな不思議ふしぎさうに見上みあげて、『かしこまりました。』と、うや/\しく一れいしてらうとした。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)