あぐ)” の例文
そは神は人をして再び身をあぐるにふさはしからしめん爲己を與へ給ひ、たゞ自ら赦すにまさ恩惠めぐみをば現し給ひたればなり 一一五—一一七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
政談月の鏡と申す外題げだいを置きまして申しあぐるお話は、宝暦ほうれき年間の町奉行で依田豐前守よだぶぜんのかみ様の御勤役中に長く掛りました裁判でありますが
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あぐる程のものならんとおほせありしことなりころ貞享ていきやう甲子きのえね正月廿日こく玉の如くなる御男子ごなんし誕生たんじやうまし/\ければ大納言光貞卿をはじめ一家中いつかちう萬歳まんざい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
又しても妄想もうぞうが我を裏切うらぎりして迷わする声憎しと、かしらあぐれば風流仏悟りすました顔、外には
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ゑゑいつもの通りの心根とる瀬なき思ひを眼に集めて、少し涙の恨み顔、何を憎んでそのやうに無情つれなきそぶりは見せらるる、言ひたい事は此方こなたにあるを、余りな人とこみあぐるほど思ひに迫れど
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きかれ其方共顏を上よと有しに兩人は恐る/\少しかほあぐる時駕籠のりものの中より熟々つく/″\と見らるゝに(此時は所謂いはゆる誠心せいしん虚實きよじつ眞僞しんぎおもてあらはるゝを見分る緊要きんえうの場なりとぞ)
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あまりなひととこみあぐるほどおもひにせまれど、母親はゝおや呼聲よびごゑしば/\なるをわびしく、詮方せんかたなさに一トあし二タあしゑゝなんぞいの未練みれんくさい、おもはくはづかしとをかへして、かた/\と飛石とびいしつたひゆくに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
当人に成り代り圖書がお詫を申上げます、殊に自分も尊兄のおいでをお待受け申すうち大きに酩酊致して失敬の事ばかり、其の辺は幾重にもお詫を申上げますが、何うか只今申しあぐる通りゆえ
とく吟味ぎんみつかまつりしうへうけ申しあぐべしと申しければ大岡殿願ひ人七右衞門并に駕籠舁かごかき久七を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)