“御上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おかみ45.2%
おあが23.8%
おあ14.3%
みかみ4.8%
おんかみ2.4%
おうへ2.4%
おのぼ2.4%
おんうえ2.4%
おんのぼ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「返礼には伊豆ほとほと持余もてあましてりまする。恐れながらこれは御上おかみへお願ひ申し上げますよりほかに致し方も御座りますまい。」
「ええ。今ちょっと散歩に出掛ましたから、もうじき帰りましょうって御止めしたんですけれども、時間がないからって御上おあがりになりませんでした」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
じゃまあ、御上おあがんなさい。そうして、あした人をつけて上げるから、まあシキへ這入って御覧なさるがいい。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
またちか淡海あふみ御上みかみはふりがもちいつくあめ御影みかげの神が女、息長おきなが水依みづより比賣に娶ひて、生みませる子、丹波たには比古多多須美知能宇斯ひこたたすみちのうしの王、次に水穗みづほ眞若まわかの王、次に神大根かむおほねの王
養竹啓。今日は駿河路と奉摟指候。定而さだめて不二は大きからうと奉存候。御上おんかみ益御きげん能奉恐悦候。大木斎兵衛歿す。木挽町まづは居なりの由、路考半分すけ也。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
御上おうへぶんしたの分とわけた御膳籠ごぜんかごもは入附添の手代より目録もそれ/\行渡り役目すめば御祝酒の𢌞りて女子供おなこどもにざれかゝり大聲立て、ばあやにゝらまれこそ/\と出行跡いでゆきしあと
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
かけもし旦那樣は失敬しつれいながら何方迄いづかたまで御上おのぼり遊ばさるゝやといふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分は十一、二歳から歴史と文学書とが好きで、家の人に隠して読みふけったが、天照大御神あまてらすおおみかみの如き処女天皇の清らかな気高けだかい御一生がうらやましかった。伊勢いせ斎宮さいぐう加茂かもの斎院の御上おんうえなどもなつかしかった。
私の貞操観 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
……おろそかなるべき事にはあらねど、かすかなる住居すまいはかり給え。……さてもこの三とせまで、いかに御心みこころ強く、ともとも承わらざるらん。……とくとく御上おんのぼり候え。恋しとも恋し。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)