“ふう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フウ
語句割合
64.4%
11.6%
11.0%
4.1%
風俗2.0%
1.6%
風采1.4%
0.8%
0.6%
樣子0.4%
0.4%
0.2%
上封0.2%
様子0.2%
0.2%
0.2%
風体0.2%
風儀0.2%
風容0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
等伯が、もっぱら、牧谿もっけいふうを慕っていたといわれる如く、武蔵画にも、どこか、牧谿にさえ、似ているところがないとはいえない。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この香木こうぼく聖武しょうむ天皇の御代、中国から渡来したもので、正倉院しょうそういんふうじられて、勅許ちょっきょがなければ、観ることすらゆるされないものだった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぞのものぞ、ここに木賃の国、行燈の町に、壁を抜出た楽がきのごとく、陽炎にあらわれて、我をふうするがごとき浅黄の頭巾ずきんは?……
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同時に彼は物を落して驚いたようなふうをして、その四辺あたりをきょろきょろと見廻みまわし、やっとそれを敷石の上に見つけたようにして急いで拾った。
指環 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「私が面白い風俗ふうをして張物をしていたもんですから、吃驚びっくりしたような顔してましたよ……」
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
うすか、解職願お出しエんしたのすか? 俺ア少しも知らなごあんしたオなす。』と、秋野は初めて知つたと言ふふうに言つた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
で、見た処は芸妓げいしゃ内証歩行ないしょあるきという風だから、まして女優の、忍びの出、と言っても風采ふう
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
譜本ふほんうたうたふやうに、距離きょり釣合つりあひちがへず、ひいふういて、みッつと途端とたん敵手あひて胸元むなもと貫通ずぶり絹鈕きぬぼたんをも芋刺いもざしにしようといふ決鬪師けっとうしぢゃ。
ふうちゃん、いらッしゃい、衣服おべべを着て見ましょう——温順おとなしくしないと、東京へ連れて行きませんよ」
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おもひのまゝにあそびてはゝきをと父親てゝおやことわすれて、十五のはるより不了簡ふりようけんをはじめぬ、男振をとこぶりにがみありて利發りはつらしきまなざし、いろくろけれど樣子ふうとて四隣あたりむすめどもが風説うわさきこえけれど
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その声の主は「ふうちゃん」と云う児で、器量よしと云う評判が高かったから要も前から耳にしてはいたものの、それまで一度も顔を見たことはなかったし、見たいと云う気もなかったのを
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ふうちゃん、ちょいと、富ちゃん、わたいの人形を知らなくッて、」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふうちゃん、」と声を立てて、真直まっすぐに跳起きた。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
落泊おちぶれても手や顔にあかをつけていなかった。その前にしゃがんで、表札を書いてもらっているものや、手紙の上封ふうを頼んでいるものもあった。
思ひのままに遊びて母が泣きをと父親てておやの事は忘れて、十五の春より不了簡ふりようけんをはじめぬ、男振をとこぶりにがみありて利発らしきまなざし、色は黒けれど好き様子ふうとて四隣あたりの娘どもが風説うわさも聞えけれど
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三人とも口をふうじられた。どしんと大きな沈黙を横たえられた感じだった。お婆さんは眼を開いて弥平のやつれた淋しい顔に視線を据えていたが、それも長くは続かなかった。
蜜柑 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
然れども巻頭の中館松生君が私徳論の如きは、其文飛動を欠き精緻を欠くといへども、温健の風、着実のふう、優に彼の気取屋党に一頭地を抜く者と被存候。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
風体ふう、恰好、役雑やくざなものに名まで似た、因果小僧とも言いそうな這奴しゃつ六蔵は、そのふなばたに腰を掛けた、が、舌打して
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それに奥様のお兄様だとかいう破落戸ごろつきのような風儀ふうの悪い、弁太とかいう男が出入りをしては、ずっと以前から、奥様の手から、いろいろの無心を
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
解けば濡れますが、はい、身はかたくめて包んで置きます、といった風容ふう。……これを少々気にしたが悪いだろうか……お伽堂の店番を。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)