“ひめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒメ
語句割合
70.1%
11.5%
2.3%
秘蔵2.3%
令孃1.1%
比賣1.1%
1.1%
嫦娥1.1%
1.1%
愛姫1.1%
日女1.1%
日賣1.1%
比売1.1%
比女1.1%
遊女1.1%
麗姫1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
するとこのおかあさんは、すこしいじのわるい人だったものですから、おひめさまのために自分じぶんがしかられたのをたいそうくやしがりました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ひめさまのところへあゆつて、ものをいひにくと、いすけよりひめは、おほくめのみことのさいてあるのにがつかれて、うたをうたひかけられました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
とりどりのうわさ評判をし合うのも娘ごころにはひめやかなよろこびのひとつだった。
石ころ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
唯一筋の唐七糸帯からしゆつちんは、お屋敷奉公せし叔母が紀念かたみと大切に秘蔵ひめたれど何か厭はむ手放すを、と何やら彼やら有たけ出してをんなに包ませ、夫の帰らぬ其中と櫛かうがいも手ばしこく小箱に纏めて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
其顏そのかほ不審いぶかしげにあふぎて、姉樣人形ねえさまにんぎやうくださるか、げまするとわづかにうなづ令孃ひめ甚之助じんのすけうれしくたちあがつて、つたつた。
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
翠色すゐしよくしたヽるまつにまじりて紅葉もみぢのあるおやしきへば、なかはしのはしいたとヾろくばかり、さてひとるはそれのみならで、一重ひとへばるヽ令孃ひめ美色びしよく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ここに天若日子、その國に降り到りて、すなはち大國主の神の女下照したて比賣ひめひ、またその國を獲むとおもひて、八年に至るまで復奏かへりごとまをさざりき。
かれこの大國主の神、胷形むなかた奧津宮おきつみやにます神、多紀理毘賣の命ひて生みませる子、阿遲鉏高日子根あぢすきたかひこねの神。次に妹高比賣たかひめの命。またの名は下光したて比賣ひめの命
ふた親は常にひめにいって聴した。「東国では、あなたが、あの偉大な山の祖慫神おやのかみさまの一番の孫なのですよ」
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ひめは、幼いときから、礼儀作法を仕込まれた。女のたしなみになる遊芸の道も仕込まれた。しかし最もしつけに重きを置かれたのは生活の調度の道だったことは、ふた親の性格からして見易き道理であった。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
貴艶あてなる嫦娥ひめ
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
此君このきみにあたるひとあるまじとえけるが、ひめとは隨一いつなかよしにて、なにごとにも中姉樣ちうねえさましたれば、もとよりものやさしきたちの、これはまた一段いちだん可愛かあいがりて、ものさびしきあめなど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ローラなどはロミオが愛姫ひめくらべては山出やまだしの下婢はしためぢゃ、もっとも、うただけはローラがはるかに上等じゃうとうのをつくってもらうた。
またある時、天皇豐のあかりしたまはむとして、日女ひめに幸でましし時に、その島にかり生みたり。ここに建内の宿禰の命を召して、歌もちて、雁の卵生める状を問はしたまひき。その御歌
この天皇、葛城かづらき曾都毘古そつびこが女、いは日賣ひめの命大后にひて、生みませる御子、大江の伊耶本和氣いざほわけの命、次に墨江すみのえなかみこ、次にたぢひ水齒別みづはわけの命、次に男淺津間若子をあさづまわくごの宿禰の命四柱。
天皇が大命おほみことに坐せ、恐き鹿嶋に坐す健御賀豆智ノ命、香取に坐す伊波比主ノ命、枚岡に坐す天之子八根ノ命、比売ひめ神、四柱の皇神等すめがみたちの広前に白さく。
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
こう云いかけて、権之丞という男は、ふと気がついたらしく、「ああこれは、御無礼を申上げました、お取次ぎを願いたいのは、比女ひめさまでございます」
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お金を皆遊女ひめに入れて終ふて店は空つ洞にして終ふたら。……わしもな旦那に何遍も云ふたんぢやけんどな、大将、由太郎の云ふ事なんぞ相手にせんツて。己は四月許り月給を貰はずぢや。
旅役者、歌の巡礼、麗姫ひめやつこ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)