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とヾ
とも
思ひ
又自から
勵ましては、
何の
譯もなきこと、
大英斷の
庭男とさへ
成りし
我、
此上の
出來ごと
覺悟の
前なり、
只あやふきは
令孃が
心にて、
首尾よく
文は
屆きたりとも
學校かよひに
宜からぬ
友でも
出來てはならず、一
切我れに
任かせてまあ
見て
居てくれと
親切に
仰しやつてお
師匠さまから
毎日のお
出稽古、
月謝を
出して
附け
屆けして
御馳走して
車を
出して
甚之
助もとより
吾助贔負にて、
此男のこと一も十も
成就させたく、
喜ぶ
顏見たさの一
心に、これまでの
文の
幾通も
人目に
觸れぬ
樣とヾこほり
無く
屆け、
令孃の
心も
知らず
返事をと
責めしが
物靜かにつヽましく
諸藝名譽のあるが
中に、
琴のほまれは
久方の
空にも
響きて、
月の
前に
柱を
直す
時雲はれて
影そでに
落ち、
花に
向つて
玉音を
弄べば
鶯ねを
止めて
節をや
學びけん
端金にはあらざりけんを、
六三此金に
眼も
止めず、
重々の
大罪頸と
仰せらるヽとも
恨らみは
無きを、
情のお
詞身に
徹しぬとて
男一匹美事なきしが、さても
下賤に
根を
持てば、
戀を
金ゆゑするとや
思す