“いそが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
75.3%
12.4%
多忙9.7%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
連忙0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勘次かんじ畦間うねまつくりあげてそれから自分じぶんいそがしく大豆だいづおとはじめた。勘次かんじ間懶まだるつこいおつぎのもとをうねをひよつとのぞいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
と答へたが、其顔に言ふ許りなき感謝のこころたたへて、『一寸。』と智恵子に会釈して立つ。いそがしく涙を拭つて、隔ての障子を開けた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
夕飯の後、蓮華寺では説教の準備したくを為るので多忙いそがしかつた。昔からの習慣ならはしとして、定紋つけた大提灯おほぢやうちんがいくつとなく取出された。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かけコレサ音吉殿どん大分だいぶいそがしさうだが何所へ行のだと尋ぬれば音吉は振返ふりかへり今日は大旦那が關宿せきやどの庄右衞門樣の方へ米の代金を取に參られますゆゑ是からとも
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
して行ますと云ば重四郎夫では今夜は大かたとまりであらうと云に音吉いや明日あす仲間なかま寄合よりあひが有からおそくとも是非今夜は御歸りで御座りますといひながらいそがしさうに走りゆくあと見送みおくりて重四郎は大いに悦び獨り心に點頭うなづきうまい/\今夜利根川堤とねがはづつみ待伏まちぶせして穀平が歸りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その内に紳士の一行がドロドロと此方こちらを指して来る容子を見て、お政は茫然ぼうぜんとしていたお勢の袖をいそがわしく曳揺ひきうごかして疾歩あしばや外面おもてへ立出で、路傍みちばた鵠在たたずんで待合わせていると
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
文三は耳をそばだてた。いそがわしく縁側を通る人の足音がして、暫らくすると梯子段はしごだんの下で洋燈をどうとかこうとか云うお鍋の声がしたが、それから後は粛然ひっそとして音沙汰おとさたをしなくなった。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
この間うちは何処を歩いてゐたのか、仕事の支度のために出かけたといふにしては余り長過ぎた! などといふ訊問が皆の口から始まらうとしたのを打ち払つて私は、いそがしくせきたてた。
熱い風 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
黄金丸はひざを進め、「こは耳寄りなることかな、その医師とは何処いずこたれぞ」ト、連忙いそがはしく問へば、鷲郎はこたへて、「さればよ。某今日里に遊びて、古き友達に邂逅めぐりあひけるが。 ...
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)