“いそがし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
55.6%
多忙22.2%
繁忙11.1%
鞅掌11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ありは甘きに集まり、人は新しきに集まる。文明の民は劇烈なる生存せいそんのうちに無聊ぶりょうをかこつ。立ちながら三度の食につくのいそがしきにえて、路上に昏睡こんすいの病をうれう。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「つい、多忙いそがしくッて手紙を書く暇も無いもんだから」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
其頃もう小皺が額に寄つてゐて、持病の胃弱の所為せゐか、はだ全然まるで光沢つやがなかつた。繁忙いそがし続きの揚句は、屹度一日枕についたものである。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
翌朝に至りて両人ふたりの者は始めて顔を合わせる。文三はお勢よりは気まりを悪がッて口数をきかず、この夏の事務の鞅掌いそがしさ、暑中休暇も取れぬので匆々そうそうに出勤する。十二時頃に帰宅する。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)