“あわた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
47.6%
23.8%
粟田11.9%
4.8%
4.8%
泡立4.8%
周章2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
晴衣をたたまずに枕許に脱ぎ棄てたままで寝るというところに、春の遊楽に耽っているあわただしい趣もあるし、ややしまりのないような濃艶な趣もある。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
二年ののちには、あわただしく往返する牽挺まねき睫毛まつげかすめても、絶えて瞬くことがなくなった。彼はようやく機の下から匍出はいだす。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
鼻取相撲はなとりすもう』や『文相撲』などに登場する大名と来た日には、力の弱い骨頂で、『栗焼くりやき』『太刀はい』『粟田あわた口』『あかがり』などへ現われて来る、お大名衆と来た日には
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お神さんとあわただしく台所先で小女が呼んだので、何だねと談話はなし半分で女房が立って行ったを幸いに、逃げるように貞之進は戸外おもてへ出て、巻煙草を置忘れたことに気が附いたが
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
廊下にあわただしい人の足音、ガラリと開く襖、そして、ヌッと現われたのは、さい前立去ったばかりの岡田道彦の、不気味にも殺気走った顔であった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
今日汽車の内なる彼女かれ苦悩くるしみは見るに忍びざりき、かく言いて二郎はまゆをひそめ、杯をわれにすすめぬ。泡立あわたつ杯は月の光に凝りて琥珀こはくたまのようなり。二郎もわれもすでに耳熱し気あがれり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
三人の山賊は周章あわただしく張りボテを頭に冠ったが、そのままあたかも消えるように、室から外へ出て行った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)