“苦悩”のいろいろな読み方と例文
旧字:苦惱
読み方割合
くるしみ48.5%
くのう18.2%
なやみ15.2%
くなう9.1%
おもい3.0%
おもひ3.0%
くるしさ3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お慈悲じゃ。」と更に拝んで、「手足に五寸釘を打たりょうとても、かくまでの苦悩くるしみはございますまいぞ、おなさけじゃ、禁厭まじのうて遣わされ。」
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
次郎は、期間の半ばを過ぎるまで、先生の顔にも、しばしば苦悩くのうの色が浮かぶのを見てとって、自分も心を暗くすることがあった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
般若の智慧を、親しくみがいて、一切は空なりということを、体得せられたればこそ、衆生ひとびとのあらゆる苦悩なやみを救うことができるのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
御念ごねんおよばぬ、じやうぬまそこく……霊泉れいせんゆあみさせて、きづもなく疲労つかれもなく苦悩くなうもなく、すこやかにしておかへまをす。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
のっそりだけで済ましていたらばこのように残念な苦悩おもいもすまいものを、分際忘れたおれが悪かった、ああ我が悪い、我が悪い、けれども、ええ、けれども、ええ、思うまい思うまい
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
のつそりだけで済して居たらば此様に残念な苦悩おもひもすまいものを、分際忘れたおれが悪かつた、嗚呼我が悪い、我が悪い、けれども、ゑゝ、けれども、ゑゝ、思ふまい/\
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ところこの九月でした、僕は余りの苦悩くるしさに平常ほとん酒杯さかずきを手にせぬ僕が、里子のとめるのもきかず飲めるだけ飲み、居間の中央に大の字になって居ると、なんと思ったか
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)