鹽垂しほた)” の例文
新字:塩垂
名前は恐ろしく立派ですが、五十二、三の鹽垂しほたれた中老人で、里見屋の長屋に住んで、家主吉兵衞のの相手などをして、細々と暮して居る、影の薄い二本差です。
入口の格子の横手は少しばかりの空地で其處には手踊りの師匠、坂東久美治くみぢこと、お組の踊り舞臺が掛けてあり、大夕立に叩かれて、見る影もなく鹽垂しほたれてをります。