鹵獲ろかく)” の例文
呉の軍勢は、勝ちに乗って、途中、敵の馬を鹵獲ろかくすること三百余頭、さらに進撃をつづけて、遂に南郡城外十里まで迫って来た。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せっかく、鹵獲ろかくした木牛流馬が、この場合には、味方の足手まといになりはしまいか? と王平が眉をひそめていると、孔明は
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして魏軍は多くの木牛流馬と蜀兵の捨てて逃げた馬具、金鼓、旗さし物などを沢山に鹵獲ろかくしたのち、凱歌賑やかに帰ってきた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬岱軍は、大山たいせんの谷を挟んで陣を取り、その日のうちに、ここを通行する蛮人輸送隊の車百輛以上、水牛四百頭を鹵獲ろかくした。次の日にも獲物があった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「木牛流馬一千余車。それに積んだ糧米だけでも二万二、三千石は鹵獲ろかくいたしました。これで当分、軍糧は豊かです」と、各〻、勇みほこらぬはなかった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
めぐって、魏軍営、潰乱かいらんに陥ちたと見たら、軍需兵糧の品々を、悉皆しっかい、船に移して奪いきたれ。また諸所の道にかかる落人おちゅうどどもの馬具、物具なども余すなく鹵獲ろかくせよ
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
途中、莫大な兵糧や兵器を鹵獲ろかくしつつ、ついに雒城らくじょうの下まで追いつめて行った。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ことに人的損傷はその三分の一以上に及んだであろうといわれ、航行不能になって捨てていった船や兵糧や武具など、呉の鹵獲ろかくは莫大な数字にのぼり、わけても大捷たいしょうの快を叫ばせたものは
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)