鳶七とびしち)” の例文
ム。爺の左近もそのように申していたが。……いや、その左近でおもい出した、きのう、住吉の打物屋鳶七とびしちが、これへ十人ほどの下職を
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はい。住吉の打物屋鳶七とびしちと申すのが、お頼みうけていた武具つくろいの職人どもをやっと都合つけて連れまいりましたとのことでござりますが」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日ごろ、店の帳合いから下職長屋の仕事の振り分けなど一切は、手代の鳶七とびしちが切り廻していた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一朝一夕いっちょういっせきに、あなたが足利家から離れるなんて、得心はできません。そうなんでしょうだんな。それならそれで、おうちあけ下されば、鳶七とびしちだって、一ト肌でもふた肌でもぬいでみせますぜ」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)