鮑叔ほうしゅく)” の例文
「僕は酒飲みだから、人から馬鹿だと言われるが、君は僕のためには鮑叔ほうしゅくだよ、もし、僕を疑わないなら、飲み友達となろうじゃないか」
酒友 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼を知る鮑叔ほうしゅくが彼をもくして臆病者とも卑怯者とも言わなかったのは、彼の人となりと、彼の事情を知っているからである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「君は、春秋を愛読されるか。春秋のうちには、例の有名な管仲かんちゅう鮑叔ほうしゅくとの美しい古人の交わりが書いてあるくだりがあるが、——君は、あそこを読んでどう思う」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こんなのは一寸類がないよ。管仲かんちゅう鮑叔ほうしゅく、デーモン、ピシアスというところだろう」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
そしていい方面にのみ眼を注いでやりたい。昔管仲かんちゅうは敵と戦ってげた。時人はこれを怯者と呼んだ。しかしその友人である鮑叔ほうしゅくは何といった。彼は家に老父を有している。
イエスキリストの友誼 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「きみは、僕のための鮑叔ほうしゅくだ、そして、あの食物を持ってきてくれた者は、何人ですか」
西湖主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)