髪月代かみさかやき)” の例文
おれがついて行ってやるから、まず髪月代かみさかやきをしろとて、向うの髪結床へ連れて行ってさせて、そのなりでは外聞が悪いとて、きれいな浴衣をくれて、三尺手拭をくれた
二人とも髪月代かみさかやきをして、衣服を着替えて出た。ここであくまでも逆らったところで仕方がない。ともかくも残りの半分にさえ手を着けなければまあいいと、治六も諦めを付けていた。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なるほど病気で寝てでもいたらしく、ふだんから髪月代かみさかやきなどに余り頓着しない男が一層じじむさくなって、少し痩せた頬のあたりにそそけた鬢の毛がこぐらかってぶら下がっていた。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)