駄々児だだっこ)” の例文
「怒るならあやまりますよ。どうも自分でも今日は気分の調子が取りにくい気がします」規矩男は駄々児だだっこのように頭を振った。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
大きな駄々児だだっこのように、顔を洗うといきなりぜんの前にあぐらをかいて、葉子が作って出したものを片端からむしゃむしゃときれいに片づけて行った。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
良家に育った駄々児だだっこらしいところと、ある目立たない優しさの入りまじったところがあり、一方
石ころ路 (新字新仮名) / 田畑修一郎(著)
彼女はこの恋愛の苦しい擬装からいつでも解放されうるわけであったが、葉子から見れば、この世間しらずの老作家は、臆面おくめんもなく人にのしかかって来る、大きな駄々児だだっこであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
と低く力をこめていいながら、葉子を自分の胸から引き離そうとするけれども、葉子はただ無性にかぶりを振るばかりで、駄々児だだっこのように、倉地の胸にしがみついた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
木村は駄々児だだっこをなだめるようにわざとおとなしく
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)