飯綱権現いいづなごんげん)” の例文
飯綱権現いいづなごんげんの社前へ一気に上って来ると、社の前に例の箱入りの名刀を供えて、二人ともかしこまって柏手かしわでを打ち、うやうやしく敬礼しました。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
永禄十二年十月武田信玄三増山の備えを小田原勢が撃って大敗した時、北条美濃守氏輝うじてる、既に危うきに臨み心中に飯綱権現いいづなごんげんを頼み、只今助けくれたら十年間婦女を遠ざけますと誓うた。
七兵衛は、高尾山の飯綱権現いいづなごんげんを信仰して、時々おまいりをしては護摩ごまを焚いてくることがある。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その一つは高尾の山の蛇滝じゃだきの参籠堂から出て、飯綱権現いいづなごんげん広前ひろまえから、大見晴らしを五十丁峠へかかった一つの山駕籠と、それからもう一つは、府中の六所明神の前を五六人のさむらいに囲まれて
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)