頭被コワツフ)” の例文
書き取らせてゐる方——大きな頭被コワツフをしてる女——は何か思ひつかうとするやうに、顏を擧げた。あゝ! 其の女は年寄りだ、非常な年寄りだ。
額の上へ、また頭の頂へ、深々とかぶつてゐる頭被コワツフは、綿紗モスリンの巾廣い尖つた二片三片で出來てゐて、それが互ひにはみ出して、頸筋へ垂れさがつてゐた。
彼女の體躯は、皺一つ寄つてゐないきちんとした胴衣コルサージュを身につけた、みやび女のやうにしやんとしてゐた。頭被コワツフはしてゐるものの、何處か若いお孃さんのやうな樣子があつた。