頭上あたま)” の例文
ゑゝお蝶め其でも血が循環めぐつて居るのか頭上あたまいたち花火載せて火をつくるぞ、さあ歌へ、ぢやん/\と遣れ、小兼め気持の好い声を出す、あぐり踊るか、かぐりもつと跳ねろ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
どうぞお取次ぎ下されまし、とこうべを低くして頼み入るに、為右衛門じろりと十兵衛が垢臭あかくさ頭上あたまより白の鼻緒の鼠色になった草履はき居る足先までめ下し、ならぬ、ならぬ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
爲右衞門ぢろりと十兵衞が垢臭き頭上あたまより白の鼻緒の鼠色になつた草履穿き居る足先まで睨め下し、ならぬ、ならぬ、上人様は俗用に御関りはなされぬは、願といふは何か知らねど云ふて見よ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
猪口ちょくは巴と廻せ廻せ、お房外見みえをするな、春婆大人ぶるな、ええお蝶めそれでも血が循環めぐって居るのか頭上あたま鼬花火いたちはなび載せて火をつくるぞ、さあ歌え、じゃんじゃんとやれ、小兼め気持のいい声を出す
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)