頡頏きっこう)” の例文
英山は文化初年鳥居清長歿し続いて喜多川歌麿世を去りしのち初めは豊国と並び後には北斎と頡頏きっこうして一時いちじ浮世絵界の牛耳ぎゅうじれり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
結局双方の智力たがいに相頡頏きっこうするに非ざれば、その交際の権利もまた頡頏すべからざるなり。交際のかたきものというべし。しこうしてその難きとは、何事に比すれば難く、何物に比すれば易きや。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
国貞は天明六年に生れ元治げんじ元年七十九歳を以て歿したればその長寿とその制作のおびただしきは正に葛飾北斎かつしかほくさい頡頏きっこうし得べし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)