青海あおうみ)” の例文
立去りあえずたたずむのがならいであったが、恋しさもしたわしさも、ただ青海あおうみの空の雲の形を見るように漠然とした、幻に過ぎなかった。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
崖の下は今過ぎた蜜柑山で、村をまたいでむこうを見れば、眼に入るものは言わずも知れた青海あおうみである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)