青海苔あおのり)” の例文
小皿のむらさきに青海苔あおのりをふって私の前に差し出すと、細君は膝の上に両手を重ねて、美佐子に眼を注ぎ
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
青海苔あおのり 一三・五三 一九・三五 一・七三 四六・一八 — 一九・二一
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
緑のほのおと燃ゆる青海苔あおのり、みるの大平原、それらが、所々僅かの岩肌を残して、くまもなく海底を覆い、その根の方がどの様な姿になっているのか、そこにはどんな恐しい生物いきものが巣食っているのか
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
料理人篠村宇三郎、かご入りの青海苔あおのりを持って来て、「これは今年始めて取れましたので差上げます。御尊父様へよろしく」と改まったる御挨拶で。そのうち汽船のいかりを下ろす音が聞えて汽笛一声。
高知がえり (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)