“雲右衛門”の読み方と例文
読み方割合
くもゑもん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雲右衛門くもゑもんの咽喉は、大久保知事の頭のやうに滅茶々々に荒れて、声帯は手の着けやうも無い。
それからずつと月日が立つて、父は還暦を過ぎ古稀こきをも過ぎた。父は上山町のとある店先で、感に堪へたといふ風で、蓄音機の喇叭ラツパから伝つてくる雲右衛門くもゑもんの浪花節を聞いてゐたことがある。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)