雞冠とさか)” の例文
之が遠くから此の町の目標になつて居る。岡山から汽車で此の町へ來る時にも餘程手前から、低い山の彼方に其の雞冠とさかが見えて居た。
山遊び (旧字旧仮名) / 木下利玄(著)
会稽山かいけいざんの下に雞冠蛇けいかんだというのが棲んでいる。かしらには雄雞おんどりのような雞冠とさかがあって、長さ一尺あまり、胴まわり五、六寸。これに撃たれた者はかならず死ぬのである。
殘る二は左右の肩の正中たゞなかの上にてこれとつらなり、かつ三ともに雞冠とさかあるところにて合へり 四〇—四二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
のみならず何か雞冠とさからしいものもちらりと見えたのに違ひなかつた。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あけの雞冠とさか
短歌集 日まはり (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
町の東端から黄色い田圃が段々高くなつて、雜木林になつて、繁茂した松林になつた一番上に、五六本の松がかたまつて雞の雞冠とさかのやうに一段高く生えて居る。
山遊び (旧字旧仮名) / 木下利玄(著)