雑然ごたごた)” の例文
旧字:雜然
まだ発車には余程あいだがあるのに、もう場内は一杯の人で、雑然ごたごたと騒がしいので、父が又狼狽あわて出す。親しい友の誰彼たれかれも見送りに来て呉れた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
眼を放って見渡すと、城下の町の一角が屋根は黒く、壁は白く、雑然ごたごたかたまって見える向うに、生れて以来十九年のあいだ、毎日仰ぎたお城の天守が遙に森の中に聳えている。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)