陳留ちんりゅう)” の例文
わけても、陳留ちんりゅう典韋てんいは、手飼いの武者数百人をつれて、仕官を望んで来た。身丈は一丈に近く眼は百錬の鏡のようだった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は日夜、懊悩煩悶おうのうはんもんしたあげく、終に陳留ちんりゅうはしって、そこの太守張邈ちょうぼうもとへ身を寄せてしまった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこは河南の陳留ちんりゅう(開封の東南)と呼ぶ地方である。沃土は広く豊饒ほうじょうであった。南方の文化は北部の重厚とちがって進取的であり、人は敏活で機智の眼がするどく働いている。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生れは沛国譙郡はいこくしょうぐん(安徽省・毫県)の産であるが、その父曹嵩そうすうは、宮内官たりし職を辞して、早くから野に下り、今では陳留ちんりゅう(河南省・開封の東南)に住んでいて、老齢だがなお健在であった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)